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第伍話 助けてやるから ページ7

(炭治郎side)



家の前で、禰豆子が六太を庇うようにして倒れている。六太は血を流していて、雪の白に赤が滲んでいる。


「どうした!どっ、どうしたんだ!!
何があった……」


2人の身体に手を触れて、声をかける。返事はない。身体が冷たい。

開け放たれた玄関から中を見た。




「________」




とっさに言葉が出なかった。

家の中は、血にまみれていた。


障子は外れていて、破れていて、血が付いていて。


棚にも、血しぶきが飛んだ跡があった。


母ちゃんは花子と。

竹雄は茂と重なるように。


みんなみんな、血を流していた。



「(っ、兄ちゃん…兄ちゃんは…!?)」



居間に姿の見えない兄ちゃんを探すために籠を投げ捨てて、履いていた深沓(ふかぐつ)を脱いで家の中へ入った。

家族のみんなや、血のついた床を踏まないようにして、兄ちゃんが一番いるかもしれないところへ歩く。



「………

…にい、ちゃん……」



探し求めた兄ちゃんは、台所で倒れていた。

頭から血を流して。

鍋がひっくり返ったのか、足は火傷をしていた。

その目は、固く閉ざされていた。



震える手で、そっと身体に触れる。

その身体は、雪より冷たかった。



「っ…!うぅ…!!」



泣くな。

堪えろ。

今、俺は何をすべきか。兄ちゃんに触れたことでわかった。



みんなの生死を確かめろ。

まだ、だれか生きているかもしれない。

大丈夫、きっと…きっと生きてる。



そう自分に言い聞かせて、重い足を動かす。

倒れてる兄ちゃんからは少しも離れたくなかったが、頭を振ってその思いを搔き消す。


母ちゃん


花子


竹雄





禰豆子


六太…



「…禰豆子…」


禰豆子だけ。
禰豆子だけに、まだぬくもりがあった。

医者に診せれば助かるかもしれない。


頑張れ、頑張れ禰豆子。

絶対に、兄ちゃんが助けてやるから…






禰豆子のことで頭がいっぱいだった俺は、もう1人生き残った家族がいることに気がつかなかった。


.

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しろりん(プロフ) - 鬼滅の刃の原作沿いの中で一番この作品がお気に入りです...。兄主さん...素敵なお兄さんですね...。更新頑張ってくださいね!...早く善逸や伊之助にも会ってほしいな...。 (2022年5月7日 10時) (レス) id: 5f15beaff6 (このIDを非表示/違反報告)
猫を愛している者 - 続きは書かないんですか? (2020年8月15日 22時) (レス) id: f0ad13efd7 (このIDを非表示/違反報告)
南無南無(プロフ) - そうだったんですね!良かったです…!! (2020年2月22日 22時) (レス) id: e2dd911ff4 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ヤトさん» ありがとうございます!返信遅れてしまって申し訳ありません… (2020年2月16日 14時) (レス) id: dec789af05 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 南無南無さん» 終わってないんです!すみません!!漫画が手元に無いとお話が書けなくて、なかなか更新出来ずにいます…本当に申し訳ないです…更新お待ち下さい!! (2020年2月16日 14時) (レス) id: dec789af05 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2019年9月16日 14時

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