第153話 ページ5
ThirdはFriskの存在を思い出し、平静を装う。一つ咳払いして、軽くお辞儀をする。
＊驚かせてごめんなさい、Frisk。私にはもう過ぎた過去のこと、これ以上蒸し返しても意味は無いでしょう。私の事はThirdと呼んでください。
突然の身の代わりように鳥肌が立った。いや立つ肌など無いのだが。「なにか文句でもあるか？」とでも言いたげな顔でこちらを睨みつける。あいつエスパーかよ、と思ったのは内緒にしておこう。
「ふふっ、よろしく、Third。」
「Third？三度目の存在だから？どうしてMiraと名乗らないんだい？」
Dreamが不思議そうに首を傾げる。何故、本当の名前を名乗ろうとしないのか不思議で堪らないのだろう。
「Third、Dreamはこう言ってるけど、どうなのかな？」
＊……いいえ。私は、Thirdですよ。Frisk。その名前を呼ぶ人は限られてるのですから。
そう告げるThirdはとても悲しそうで。Pokerは話題を変えることにした。元より、目的の一つでもある。Miraたちを助けるための話だ。Dreamにも頼んで一緒にFriskに事情を話した。
「全部、全部、僕のせいなんだ。僕が、羽を取り込んでしまったから、Playerなんかに付け込まれたんだ。」
Friskはただ黙って微笑んでみせる。「大丈夫。」「君のせいじゃない。」そう言ってるみたいで、いたたまれなくなった。
「……Sans、お前はちゃんと自分の罪と向き合い、正しい行いをした。ならば、僕も、僕のおかしたことに向き合わなければならない。」
ふと、声をかけてきたのはCharaだった。彼は悔しそうに、悲しそうに目を伏せて、Friskに近づく。Friskは動じず、Charaが来るのを待っていた。
「ごめん。ごめんっ……。僕、僕また、壊そうとした。兄妹……君の理想を、僕自身が。」
「兄さん、今の貴方は天使ではない。誰かを希望へ導く義務なんてないのです。でも、そう、思うのなら、どうか力を貸してください。私は、Sansに親切にしてくれた、大切な友人を救いたいのです。」
「ああ、勿論だ。」
FriskとCharaは抱きしめあった。Pokerは思わず嫉妬してしまいそうになったが、兄妹であることを思い出し、なんとか冷静でいた。Thirdはそれに気付いているのか、ニヤニヤと悪どい笑みを浮かべている。
＊さてと、私の役割はおしまいかな。
「まだだ。まだ、Miraたちを助けてない。頼む、最後まで力を貸してくれ。」
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あゆさ(プロフ) - leiさん» ありがとうございます！とても嬉しいです！励みになります！！ (2022年5月26日 23時) (
レス) id: aa986c6595 (このIDを非表示/違反報告)
lei(プロフ) - 初コメ失礼します！あゆささんの作品本当に面白いです！とても応援しています!(^^)! (2022年5月26日 17時) (レス) id: 005bcc4d2b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あゆさ | 作成日時：2022年4月13日 21時
