第187話 ページ39
MiraはそっとWilleの頬を撫でて、そのまま頭の方に手を持っていき撫でていた。Willeは気恥ずしそうにしながらも、それを受け入れていた。恋人というより、飼い主と猫のようにも思えてしまう。
「最後まで話を聞こうね。Pokerは『私を守りながら戦えない』って言ったんだよ。それはつまり、守りばかりに徹しないで、戦いの方に集中すれば、君は強いってこと。」
そういうことでしょ？とでも言いたげに、Miraは誇らしげに笑いかけた。完敗だ。彼女は何でもお見通しらしい。
「そうだ。お前は多分、そういう戦い方をした事がなかったんだろ？だから、どう戦っていいか迷いがある。Miraの傍で闘うとなると気が散ってる。守ることに必死過ぎなんだ。」
WilleはPokerにアドバイスされるのを不服に思いながらも、彼の発言は的確だった。だが、それがどうした。守ることの方が優先だ。何よりも。
「発想を逆にすればお前は強い。守るために、相手を徹底的に潰せばいい。そうすれば敵も容赦なんて出来ないだろ。守りながらのお前は弱点だらけなんだ。」
「……………………………………………………確かにそうかもしれない。」
「間、ながっ！」
「癪に障るがお前の言う通りだ。善処する。」
言葉や態度は悪いが、Pokerの助言は受け止めていた。Miraは呆れて笑うが、表情は一変して真面目になる。Pokerに対して、「ありがとう」と言った。
「……いや、気にするな。」
「あ！そうだ！折角友達になったんだし、これからは気兼ねなく遊びに来てね！」
「やっぱ殺しとくべきか。」
「物騒！」
Willeはふっと笑うと、冗談だ、と流した。この世界に来て、初めてWilleの笑った顔を見た。笑う余裕がなくなるほど、世界への敵対心。いや、彼女を守りたいという意志が強いということだろう。わからないわけではないが、Willeは失うことへの恐怖がトラウマなのかもしれない。
その時、Pokerの頭を頭突きをしてきた誰が現れる。突然なんだ！？と頭上を見ると、額を抑えた少女がいた。一体何処から出てきたんだ？と彼女の後ろを見ると、グリッチで出来たポータルがあった。
「ご、ごごご、ごめんなさい。私みたいなのがぶつかって、本当にごめんなさいぃぃ……。」
「あ、クリエちゃん。珍しいね。どうしたの？」
「あの、あの……これ、落し物です。」
おずおずと差し出したのは飴が入った袋だった。Pokerは慌てて自分のポケットなどを探る。
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あゆさ(プロフ) - leiさん» ありがとうございます！とても嬉しいです！励みになります！！ (2022年5月26日 23時) (
レス) id: aa986c6595 (このIDを非表示/違反報告)
lei(プロフ) - 初コメ失礼します！あゆささんの作品本当に面白いです！とても応援しています!(^^)! (2022年5月26日 17時) (レス) id: 005bcc4d2b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あゆさ | 作成日時：2022年4月13日 21時
