第176話 ページ28
CoreとFriskが同時に責め立てる。Willeは戸惑って言葉に詰まっている。なかなか見ない光景に、Sansは吹きそうになりながらも、堪えながら、Willeに問いかける。
「何も心配は要らないぞ。Miraの事は、オイラたちが見てる。今は記憶も曖昧だし、無茶をしようとしないだろ。」
「＿＿＿でも、俺は。」
「今のあいつが大切なのはわかる。でも、別世界のあいつも、どんなに酷いことをされても、傷つけられても、大切に思ってるんだろう？」
Sansの言葉にWilleは目を見開いた。自分の心を見透かされたからだ。暫くして、Willeは小さくため息をつく。どうやら彼女は他のみんなにも色々影響を与えているらしい。Sansがこんなにも前向きで、不安のなさそうな顔ができるのは、きっと彼女の明るさと自己犠牲な所を心配しているからだろうな、と。
「……わかった。Miraの事、頼んだ。」
「おう、任せときな。」
「Wille？Sans？一体何を話して？」
WilleはMiraに出かけてくるという事を伝えてすぐに外へ出た。止める暇もなく、Miraは目をパチパチさせるだけ。しかし、すぐに彼女の表情は優しくなる。
「嬉しそうだな？」
「うん。Willeが私以外の事でやりたいことを見つけてくれたのが嬉しくて。ゆっくりでいい。他のひとたちとも繋がりを持って欲しいんだ。」
いつか隣に立てなくなる時が来る。その時、君を支えてくれる人が居てくれたら、独りだと嘆かなくて済むように。
Sansは視線を泳がせる。「まあ、この件もお前さんに関することだけどな。」と頭の中で思いながらも、たしかにこれは大事な一歩なのかもしれないと、思うのだった。
＊
遺跡の奥で、PokerとMuseは狭間への入口を探していた。普通は見えない扉、開かれるはずのない扉を探すのは困難だった。
「クソっ……。」
「……なんだか妬けちゃうなぁ。君にとって彼女はそれ程大きな存在なんだね？」
Museは悪戯心で顔を隠した。慌てたようにPokerは説明をする。そうじゃない。彼女は恩人であり、大切な友人だから、会って話したいのだ。
「ふふっ、わかってるよ。早く、会わなきゃね！」
そしてまた扉の入口を探す。前あった場所には何も無かった。きっと、移動してしまったのだろう。
「扉を探してるの？」
Museの言葉に返答したのはPokerではなく、彼らの後を追いかけてきたInkだった。息をきらしている急いで追いかけてきたのだろう。
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あゆさ(プロフ) - leiさん» ありがとうございます！とても嬉しいです！励みになります！！ (2022年5月26日 23時) (
レス) id: aa986c6595 (このIDを非表示/違反報告)
lei(プロフ) - 初コメ失礼します！あゆささんの作品本当に面白いです！とても応援しています!(^^)! (2022年5月26日 17時) (レス) id: 005bcc4d2b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あゆさ | 作成日時：2022年4月13日 21時
