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第5話 ページ5

相変わらず


何を考えてるのかわからない。


……けど、地上に出てから


サンズの表情は前より柔らかくなった気がする。


それが何よりも嬉しい。


「もっと皆が住みやすいところにしなきゃね。」


肩身が狭いだなんて、そんなの耐えられないし。


「がんばろ!」





なんとか仕事が終わった。


ちょっとしたトラブルもあったけど


サンズのお陰で大事にならずに済んだし。


……グリルビーズに行くか。


約束という形ではなかった、一方的だった。


ま、行くけどね!サンズからのお誘いだし。


地上で新しくお店を構えたグリルビーは


どことなく楽しそうだ。相変わらず喋らないけど。


お店の扉を開くとサンズが待っていた。


彼の隣に座ろうとしたがすぐにやめた。


「サンズ、またブーブークッション仕掛けたの?」


「なんだ、もうバレたのか。」


大人の女性になんてものを仕掛けるんだ。


いや、言うてそこまで大人じゃないけど。


それでも恥ずかしい目に遭うのは嫌なのです。


ブーブークッションを外して席に座る。


「グリルビー、ポテトひとつ頂戴。」


そういうと彼はすぐにキッチンに向かった。


すぐにお皿を持ってきてポテトが目の前に現れる。


流石、仕事がお早い。


「ケチャップいるか?」


「ううん。それ、サンズの飲み物でしょ。」


「heh。」


彼はケチャップをそのままがぶ飲みする。


その味のセンスは未だにわかりそうにない。


トマトジュースを飲むようなものだろうか?


「それで今日はどうしたの?リアルスターのお話?」


大抵ここに呼ばれるのはそういう類だ。


私が彼のヒーローショーを見に行けないのを


知っていて自慢してくる。


「いや、今日はこれだな。」


サンズは淡い青色のスカーフを取り出す。


私は訳が分からず首を傾げる。


彼が、左手を出してくれと言ったので


言われるがままに差し出した。


彼はその手を少し引いたあと


手首にスカーフを巻き付けた。


「プレゼントだ。」


ーーーーーーえ?今日なんかあったっけ?


彼は"特に何も"と言ったように笑う。


「ただ、フリスク達とは
お揃いのロケットを持ってるのに
オイラたちには形での繋がりはなかっただろう?」


まあ、写真はみんなで写ってるけど


ロケットを持ってるのは四人だけ。もしかして。


「仲間外れで寂しかったの?」

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作者名:あゆさ | 作成日時:2020年12月2日 20時

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