第23話 ページ23
ああ、だから彼、怒ってるのか。
なら眠ってるうちに殺せば良かったのに。
「下手に殺せねぇから縛ってんだろうが、
意識しか残ってねぇバグのくせに!
というかお前を殺せばサンズも死ぬんだよ!」
意識がこちらにあるだけで、
あのソウルは私自身でもある。
サンズが死ねば、私も死ぬし、
私が死ねば、サンズも死ぬことになるのか。
なら気を付けないと。
今のサンズたちの幸せな世界を壊したくない。
さて、そろそろ彼に謝らないとな。いや、
そもそもこれは事故だから、
私が謝る必要なくないか?
「……悪かったと思ってるけど、意識がないうちに
さっさと追い出せばよかったじゃない。」
「は?そんなのお断りだ。」
……え?迷惑って言ったのそっちじゃん!!
「お前と契約する為にわざわざ生かしてやったんだ。
有難いと思えよ。」
オリジナルが死ぬのが
あれだったからとかじゃなくて?
いや、実際に彼が出てくるようなゲームや
小説などをちゃんと見てないから
彼がどれほどAUを憎んで
オリジナルにどんな感情を抱いてるか、
わかりかねてるから。
そもそもAU作品ほぼ英語とかだし
学力ない私にどうしろってんだ。
「ーーい、おい!聞いてんのか!」
「え?何?」
「だから!もし、お前の世界のサンズが
死ぬことがあったらお前のソウルを俺に寄越せ。」
……………………え?なんで?
あからさまに疑問を隠さない私に
彼は苛立ったように話す。
私のソウルが珍しいから欲しい、と。
つまり【RESET】やらを恐れてるのではなく
ただ単にコレクションとして欲しいと。
「……え?趣味わるっ。」
「はぁ!?てめぇにだけは言われたくねぇよ!」
「君の糸で似せて作ればいいじゃん。」
「真っ黒なソウルだぞ?
ただ黒いじゃないんだぞ!?」
いや、どこにこだわり抱いてるんだ。
ちょっと輝いてるけども。
ーーーー私のソウルが欲しい、ねぇ?
役割を果たしたらってこと?
サンズが死ぬのなんて、まだまだ先じゃん。
「あーくそ。そうだよ。けどしょうがねぇだろ。
せっかくチャンスだと思って手を伸ばしたと思ったら
お前がなんか能力使いやがったせいで
サンズのソウルになっちまった。」
つまり、あのバグで殺された私のソウルを
奪おうとしたところ、私の方が能力を使うのが早くて
サンズの命が助かったってことか。
「確かにそれなら契約なんてしなくて
よかったね。残念だったね。」
33人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あゆさ | 作成日時:2020年12月2日 20時