第22話 ページ22
名前のない世界から追い出され
俺はわけも分からず瞬きをする。
どうやらバグに弾かれて住処に戻ったようだ。
あのよくわからないスケルトンに邪魔をされなければ
計画通りに進んでいたというのに。
いや、あいつだけのせいじゃない。
あいつのソウルについていた、もう1つのソウル。
もしかしたらニンゲンのかもしれないが
あれがバグを発生させたせいで
こんなところまで戻されてしまった。
イライラしながら立ち上がると
目の前に誰かが倒れていることに気付く。
この世界に入ってくるとしたら
インクかナイトメアぐらいだが。
近付いてみるとそこにいたのは
イレギュラーそのものだった。
「嘘だろ……おい。」
*
目を覚ますとそこは真っ白な世界だった。
体を動かそうとしたが
どうやら私の体は青い糸で縛られ
宙吊りにされているようだ。
ーーーん?これすごい見たことあるぞ?
「ん?やっと目を覚ましたのか、イレギュラー。」
思考停止し、固まる。
そんな私を見て彼は、怒りながら話しかける。
青い糸で作られたブランコに乗る彼。
その姿を見て私は思わず感極まった。
「え?うそ!本物!?推しが動いてる!!!」
「…………は?」
「うわ、うわぁ!!本当にERRORって
周りに浮かんでる!!しかも赤縁の眼鏡!!!
レアショット!!!カメラない?」
「ねぇよ!!!!!」
うわ、うわぁ!!!突っ込んでくれた!
反応が返ってくれると嬉しいなぁ。
というか私、なんでこんな夢見てるんだ?
…………って、違う、私、死んだんじゃ?
「やっと冷静になったか。お前が今どう言った
状況か教えてやろうか?」
目の前で映像を見せられる。
そこに映し出されたのは私がいた世界。
フリスク、サンズ、パピルス、キャラ、アズリエルの
五人がナイスクリームを食べている様子が映された。
操られたサンズに殺されたはず。けど最期の瞬間、
キャラがサンズを殺すのを見た私は、
あまりのことにショックを受け、
【GIVE】を使ったのだ。そしてバグの私は消えた。
そう判断したプログラムが、
みんなから私の記憶を消したのだと思う。
そうじゃなきゃキャラはサンズの隣で笑わない。
「……よかった。」
「はあ?良かっただぁ!?こっちは大迷惑だ!!!
なんせバグを押し付けられたんだからな!!!」
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作者名:あゆさ | 作成日時:2020年12月2日 20時