【UNDERTALE】決意と意志と奇跡

第7話 ページ7

身体が思うように動かず


ユラユラと立ち尽くすだけ


限界がきて、そのまま倒れ込むはずだった


冷たい何かが私を支え、抱きかかえていた


「この傷じゃ」


「さん、ず」


どうして、私を支えたの？汚れちゃうよ？


ダメだよ、サンズ。私、貴方の憎い相手だよ？


彼はただ、必死に私を助ける方法を考えている


本当に君はーーー優しいんだから


「武器はもう手に入らない
あーあ、なんて中途半端な結末だ」


彼女はメニューを開いた


そこには【CONTINUE】と【RESET】の


文字が浮かび上がっている


彼女はニヤリと笑って


コンティニューのボタンを押そうとした瞬間


彼女の両腕がボタッと床に落ちた


「あははっ……ああ、ここまでか。いや、まだだよ。
リセットしたってAは助からない。
だってもうすぐで死ぬんだから。
"次"はもっと楽しい結末が待ってるよ」


ガスターブラスターで彼女を取り囲み、


彼女のソウルは塵になった


もう、恐れる脅威はない


いや、そもそも、もうすぐで死ぬんだから


そんなの関係ないか


沈黙だけが残るこの空間


それもそうだ、ここには死にかけの私と、


満身創痍のサンズしかいないのだから


「なんで、オイラを庇った。罪滅ぼしのつもりか？」


真っ黒な瞳に私は映らない


汗だけがピタピタと落ちる


決して涙ではないだろう


彼が私に同情するなんてことはないのだから


それは、そうと……庇った理由、か


あの子を選んでも、サンズを選んでも、


結局、私は行き止まりなんだ


だから、せめてもの、償いをとーー


「ーーーサンズが、好き、だから」


口から出たのは彼への想い


違う、そうじゃない、そうじゃないはずなのに


妙に納得してしまった自分もいたのだ


「ーーーーそうかい」


……ゲームをして思っていたのは、


どうして守れないキャラクターがいるんだろう、と。


どうせなら、みんなでハッピーエンドを


迎えたいじゃないか


犠牲が付きものなのはわかってる


綺麗事だろうさ、私の大嫌いなものだ


偽善に満ちたものだろうさ


でも、守れるものなら守りたい


命を差し出すなんてごめんだけど


そのはずなのに、勝手に体が動いたなんて


あまりにも、おかしな話だ


人間ってなんでこんなに面倒くさくて、


よくわからない生き物なんだろうか


殺しを始めたのは私の意志なのにね


目の当たりにしてしまったら、私ーーー


「アンタの故郷じゃなくて悪かったな」

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