【UNDERTALE】決意と意志と奇跡

第30話 ページ30

＊撮影スタジオより


さてと、休憩時間だ


そういえば近くのカフェで


期間限定チョコレートパフェが出てるんだっけ


行ってみようかな？ーーーーーうん？


どこからか走る音が聞こえる


スタジオ内なのに何やってるんだ？


そういえばさっきから人がいない


休憩時間だからか？


それにしたって走るなんて…なんか近付いてきてる？


「来ないで！！」


「Aー！待ってよぉ！ねぇ！
ちょっと触るだけ！触るだけだから！！！」


「君の場合、触るだけじゃすまさないでしょ！？」


ーーーー声が近づいてきてる


ここから離れた方が良さそうだ


そう思っていたら角から曲がってきたの人とぶつかる


「いったぁ……あ！ごめんなさい！」


「い、いえ」


「A！！！どこぉー！！？」


ひぃっと情けない声を漏らす彼女は


俺の手を掴むと走り出した


「え、ちょっと！」


「話はあと！とりあえず逃げるよ！！」


え、ええぇぇぇぇ！！？


スタジオを出て、近くの路地裏に隠れると


息を整えながら彼女は謝る


「ごめんね、巻き込んで
あ！もしかしてこのあと撮影入ってる？」


「いや、休憩時間だから大丈夫」


「あー、尚更ごめんなさい
良かったら昼食奢らせて？迷惑かけちゃったし」


いや、迷惑も何も状況が飲み込めないのだが


「近くにカフェがあるはず。確か期間限定
チョコレートパフェが出るんだよ。ね？奢るからさ」


チョコレートパフェ……奢る……


俺の反応を見てクスッと笑うと


彼女は俺の手をとってカフェへと向かう


まだ返事をしていないが


どちらにせよ誘惑に負けてしまった


自分に説明がつかない


＊


「あー……今回も何とか乗り切った」


ぐてーっと机に寝そべる彼女


そんなに疲れていたのだろうか？


そもそもなんでスタジオ内を走っていたんだ？


「あれ？気付いてると思ってたんだけど
あのスタジオの最近の名物知ってる？」


「名物？」


「そう、休憩時間になるとみんな
パパッといなくなっちゃうの」


…………だから人がいなかったのか


それにしてもなんで？


「ここしばらくラストがいるから」


「……え、もしかして追いかけてたのって」


「そう、ラスト」


と、丁度頼んでいたものが届く


彼女はホットサンドイッチ


俺はチョコレートパフェだった


"ありがとうございます"とさり気なくお礼を言うと


彼女はサンドイッチを口の中に入れた


「あの、なんでラストに？」

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