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第3話 ページ3

恐怖で震えだし


思わず悲鳴をあげた


腰が抜けて立ち上がれなくなる


「よぉ、お前さんが黒幕かい?」


「……え?」


私は目を疑った


だって、目の前に立っているのは


青いパーカー、白いシャツに黒いズボン


キラリと光る鋭い瞳


その瞳はまるで燃えているようにも見える


ゲームに登場するキャラクター、サンズだった。


思わず名前を呼んでしまったが、


これは現実なのだろうか?


「へぇ?オレの名前を知ってるのか。光栄だな」


わ、訳が分からない


私はいつから夢なんて見ていたんだ?


頭が混乱するものの、手の痛みから


これは夢では無いのだと、警告されたような気がした


「でも、当たり前だよな。だってお前は
あのニンゲンを遠くから操ってるんだから」


真っ黒な瞳になる


ーーーああ、これは詰んだ。私、死ぬの?


いや、嫌だ!だってここで死んだら私……


…………?それのなにが、いけないっていうんだ?


どうせわたしはいつかしぬんだ


寿命か、事故か、殺人事件に巻き込まれるか


「……何でこんなことをした、ニンゲン
そもそもお前は何者なんだ?」


震える私に慈悲を覚えたのか


彼は優しく問いかけた


目の奥ではきっと私に対する殺意で


いっぱいだろうけど……


口を開ける。最初は掠れた声で、


情けないほど震えた声で


最低な理由を口にするのだ


「私は、ゲームを楽しみたかっただけ
サンズと戦えるのはこのルートでしか
辿り着けない、から……」


「そうか……それはまるで、
オレが全部悪いみたいに聞こえるな」


ビクリと、肩が揺れた


自分でもこんな状態になった事がなくて、


どうしたらいいかわからない


落ち着こうにも落ち着けない


「お前たちの世界と、オレたちの世界は違うのか?
ここはバリアの外じゃないんだな?」


「……貴方はゲームの世界のキャラクター
決して交わることは無い世界のはず、だけど」


サンズは呆れたように目を閉じる


こうして会ってみると、


彼が何を考えているのかよくわからない


右手は痛いままだけど、この骨を抜いてしまえば


さらに出血が酷くなる


どうせ死ぬことになるのなら


嘘をついたって仕方がない


最後くらい綺麗な人間でいたいから


ああ、なんて反吐が出る願いだ


「お前さんはそのゲームで何回リセットしたんだ?
何回オレたちを殺したんだ?」


「三回のリセットで、二回、モンスターを殺した
貴方だけは殺せなくて行き止まり状態だよ」

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あゆさ(プロフ) - アルドールさん» わあ!とても嬉しいです!結構な量があるので一気読みしてくださって本当に嬉しいです!よかったら完結まで見届けてください!! (2021年4月5日 21時) (レス) id: 0c9cd9af7d (このIDを非表示/違反報告)
アルドール(プロフ) - 初めまして!Undertale経由でこの作品を見ました!とても凝っていて、一気に読んでしまうぐらい凄く楽しく読ませてもらいました!!これからも更新頑張ってください!!(*´ `*) (2021年4月5日 20時) (レス) id: f19fae88e7 (このIDを非表示/違反報告)
まな★★(プロフ) - ゆうさん» コメントありがとうございます!毎回楽しみにして頂いてるようで嬉しいです! (2020年10月19日 23時) (レス) id: 7dea6cedb8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - 今日も面白かったです!(^_^)/フリキャが一緒にいるのがめっちゃ好き…キャラはちょっと違うけど、この設定もほんとに好きです!(*^^) (2020年10月19日 22時) (レス) id: 74d9f2f81e (このIDを非表示/違反報告)
まな★★(プロフ) - ゆうさん» マイブームになってしまいまして(´>∀<`)ゝ))エヘヘ他の作品がかけてない状態ですね()書き溜めてるので毎日更新出来てます (2020年10月13日 22時) (レス) id: 7dea6cedb8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あゆさ | 作成日時:2020年9月18日 21時

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