第九十四話 ページ44
女性から誘うのってすごいな
私は無理だ、きっと古典的なんだろうな
「ごめんなさい。僕はAの迎えを
頼まれてるので」
空気を読んでくれたのかはわからないが
柔らかい返事に女生徒は
ちょっと残念そうな顔をしたあと
「そうですか……また今度暇があったら
一緒に行きましょうね！」
「えっと……うん、考えておくよ。それじゃあ」
ジキルは私の手を掴み
その場を後にする
…………ちょっと離れた公園について
『ちょっと、病院前で待ち合わせって
言ったでしょ』
「ああ、ごめん。でもこの前のことが
遭ったらって思うと怖くて」
ーーーそれもそうか
なら私も彼を責めることは出来ない
私の為にしてくれたのだ
『怒ってごめん。迎えに来てくれてありがとう』
そういうとジキルの顔が明るくなる
"よかった"と安心したように笑う
ーーー少しだけ胸がキュッてなった気がする
「じゃあ、そろそろ行こうか」
『あ、うん』
ーーーあれ？そういえば手を繋がれたままだ
ジキルは気にしない様子でそのまま歩く
……たまにはいいかなと思い、彼の後に続いた
ーーーーー温かい……
サーヴァントだからとか、人間だからとか
そんなの関係ない
触れれば温もりを感じる
いまそこにいるんだって証があるって
ーーーーやっぱりすごく幸せなことだな
誰かの傍にいることって
「ーーーーA……」
「どうした？セイバー」
「……いえ、なんでもありません」
マスターである明にそう返事をするが上の空
明は呆れたように指摘する
「しっかりしてくれよ
これから敵に接触するんだから」
「はい。承知しています」
＊
病院の前まで行く
キョロキョロと尚人くんの姿を探す
『あれ……いない？』
確かにここで会おうと言ったのだが
……そういえば人の気配がないというか
どうしたんだろう？
「………………！」
ジキルは私の前に出る
その刹那、ジキルに何かが突っ込んできた
バーサーカー！！
一旦間合いをとり、下がる
「やはり罠だったか！」
「What！？なんでここに敵がいるのだワン！
さては……ご主人を殺しに来たのか？」
始めは私たちがいるのに驚いたせいか
いつもと違うテンションだった
たが、雰囲気は変わり
バーサーカーの目から殺意を感じる
"絶対この先には行かせない"
そんな気迫さえ感じる
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まな★★(プロフ) - ゆきさん» コメントありがとうございます！そのように思って頂けて嬉しいです！ (2019年4月4日 12時) (
レス) id: 5821fa07da (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - 橋さんの心の在り方に感動しました。私もこのように在りたいです。 (2019年4月4日 10時) (レス) id: cbcf733df5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まな★★ | 作成日時：2019年2月21日 10時
