第六十三話 ページ13
セイバーのマスターは
舌打ちをしながらも
私に道を開けてくれた
どうやら許してくれたらしい
私はキャスターに近づく
「…少女よ、すまなかったな
怖い目に遭わせてしまって
聖杯戦争とは全く無関係なことで
君を傷付けてしまった
だが、どうか我がマスターを軽蔑しないで欲しい
あの方は幼かっただけなのだ
止められなかった私にも非はある
私に、英霊を名乗る資格などない」
ーーーーそれは違うと思う
高橋くんは令呪を二つも減らしていた
おそらくキャスターは
彼に逆らったのだろう
『名も知らぬ、偉大なる英霊よ
私は貴方のことを尊敬致します
自らの正義を貫こうとしたこと
敵である私たちに謝罪をしてくれたこと
どうか、名乗る資格が無いなどと
言わないで欲しい』
私はそういって笑いかけた
キャスターは驚いた顔を見せたあと
フッと小さく笑った
「そうか…君は私をそう思ってくれるのか
ありがとう…私はその言葉だけでーーー」
言葉を言い終える前に
キャスターは小さな光と共に消えた
「キャスターを人として扱ったのか？お前」
セイバーのマスターは
苛立ちながらこちらを見る
さっきも思ったが
彼はサーヴァントに対して
辛辣すぎではないだろうか？
何故そんなにも毛嫌っているんだ？
「橘A…お前は何故
サーヴァントを人として扱う」
『！ どうして私の名前』
「今は俺が質問してるんだ。答えろ」
………仮にも彼は私を助けてくれた
ならば彼の質問に答えなければ
『サーヴァントに心があるから』
今にも"は？"と言いたげな雰囲気
何がそんなに気に食わないのだろうか？
「サーヴァントに人の気持ちが
わかってたまるかよ。行くぞ、セイバー」
『あ！待って！貴方の、貴方の名前は？』
彼はこちらをチラ見したあと
小さな声で名乗った
"俺は明だ"
彼はセイバーと共にその場から姿を消した
ーーーここ数日
色んなことがあり過ぎて、頭が爆発しそう
体の疲労が限界に達しそうだ
「……今日、話せるかな？」
明らかに怒っている
いや、怒ってるだけじゃない？
申し訳なさそうにしている
そんな気がするのだ
『わかった……でもその前に…』
私は高橋翔くんだったものを見た
彼を埋めてあげたい、自分の手で
「……手伝おう」
ジキルに彼を運んでもらい
地面を掘り彼を穴の中に入れた
ジキルは今まで掘った土を穴の中に戻していく
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まな★★(プロフ) - ゆきさん» コメントありがとうございます！そのように思って頂けて嬉しいです！ (2019年4月4日 12時) (
レス) id: 5821fa07da (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - 橋さんの心の在り方に感動しました。私もこのように在りたいです。 (2019年4月4日 10時) (レス) id: cbcf733df5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まな★★ | 作成日時：2019年2月21日 10時
