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第三十八話 ページ38

「ええ!それはもちろ…って
何を言わせるのですか!」


いや、普通にそう思っただけ


……うーん別に人の自由だし


頼まれるようなことではないと思うんだけど


『勝手にすれば?』


人の自由に口出しをする気は無い


興味無いし、言ったところで実行する訳では無いし


「はい!」


そういって彼は私の後ろを着いてくる


………なんか人懐っこい犬みたい?





階段の隅でおにぎりを食べる


紫崎くんとの距離を少しだけ開けて


彼は隣で私が食べる様子を見てた


『……貴方、お弁当は?』


食べる姿を見られるのは居心地が悪い


何故彼は食べないのか


「え…あー…お恥ずかしながら
忘れてしまいまして」


"ふーん"と返す


でも見られるの落ち着かないし


私はもう1つのおにぎりを彼に差し出す


「もしかして、くれるのですか?」


『見られるの嫌だから、欲しいならあげる』


彼は恐る恐るおにぎりを手にする


なんだ、まるで毒が


入ってるかもみたいな顔しやがって


「では…頂きます」


そう言って彼は一口、おにぎりを口の中に入れた


「! 美味しいです!」


『あ、そう』


おにぎりなら誰だって作れる


"美味しいです"と言われても


あーそうですかーとしかならない


ーーーー私は冷めてるのだろうか?


「これがコメと言うものですか!美味しいですね!
素朴な味というのでしょうか?」


………もしかして米を初めて食べた?


外国ってそんななのか


そんなくだらないことを考えながら


昼食を終え、教室に戻ろうとすると


「橘、またお昼を一緒にしてもいいだろうか?」


………別にどうでもいいのだが


それに私はさっき言ったはずだ


『言ったでしょ。勝手にすればって』


その言葉を聞いてパァッと明るくなる紫崎くん


"はい!"と返事をしてまた私の後ろをついてくる


女子達が見たら騒ぐんだろうな…


でもまあ校舎案内してたって言えばいいか


そういう話だったんだし



in放課後


教室に彼以外誰も残っていないかを


確認した後、彼に近づいた


「あ、橘。何処に行っていたのですか?」


『職員室行ってた』


なんて嘘をついた


だってHRが終わった途端


紫崎くん囲まれてるんだもん


そりゃ近づきたくないよね


『とりあえず、案内するから着いてきて』


「ああ」


………あれ?私いつの間にか敬語抜けてないか?


あれ?いつから?昼休みの後からだっけ?


なんか自然と抜けてて気付かなかった

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まな★★(プロフ) - ゆきちゃんだぞさん» ありがとうございます!そう言って頂けて嬉しいです!! (2019年4月1日 20時) (レス) id: 1e0fa89d62 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきちゃんだぞ - とっても面白いです!がんばってください!!! (2019年4月1日 13時) (レス) id: cbcf733df5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まな★★ | 作成日時:2018年12月29日 13時

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