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side Kei


魔の化身に向け、走り出した涼介の背中は、

俺がいつも見てきた、守るべき対象じゃなくて、

とても強く逞ましく、勇ましい。



ダンッッ!!


涼介の身体ごと摑み取ろうとする奴の手を交わし、地面を蹴り上げ、剣を振り翳す。


ズシュッッッ…!!


赤く光る剣が、奴の足を掠め、


『グゥッ…!』


鈍い声が響いたのが、攻撃が効いてることを知らしめる。



よろめきながら奴は、涼介を睨みつけ、


『…生きたまま連れて行こうと思ったが、気が変わった。』


「ハァ…、ハァ…、」


息を切らす彼に、



『その心臓と、そのアカメ以外は、すべて動かなくしてやろう。』



そう口角だけを、グニャリと上げた。


その瞬間、



「っ…!!」



俺たちの身体と変わらない大きさの手が、目にも留まらぬ速さで、



ドオオオオンッッッ…!!!!



「っりょうすけぇぇっ!!!」



涼介の身体を跳ね飛ばした。









目の前の、現実を信じたくない。


涼介の身体は舞い上がって、地面に強く叩きつけられた。


それでも直ぐさま、傷だらけの身体を起こし、涼介は立ち上がる。


魔の化身は、涼介を瀕死の状態にしようとしてる。


涼介が、自ら魔法石を消そうとする前に、


それを不可能にする為に。






本来なら、涼介を守護する存在だった俺が、

あの間に立つべきだったのに。



「りょ…すけ……、」



今目の前で、なにひとつ恐れずに、

何度倒されても立ち向かっていく涼介は、

俺とは比べ物にならない強さを持っている。







ズシュゥッッッ!!!


『グァァッッ…!!』


ドオオンッ………


「っ…!!」


涼介の攻撃の余りのスピードに、目に留めることすらできなかった。


炎に包まれたように赤く光る涼介の剣が、魔の化身の右脚を斬り裂き、奴はバランスを失い崩れ落ちている。



「ハァッ…、ハァッ……、」



激しく、息を切らし闘う涼介。




涼介のことを、



ずっとずっと側で見てきたのに、



成長を遂げた、その様には、気づかなかったなんて。





…ううん、気づかなかったんじゃない。



気づきたくなかったんだ。




願わくば、


ずっと涼介の守護者として、



側にいたかったから ___



.

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ふるは(プロフ) - 初めましてかな。やまいのに釣られて読ませて頂きました。初めは悲恋なのかな?と思いましたが2人の幸せが見れて良かったです。読ませて頂いてありがとうございました。 (2020年5月28日 10時) (レス) id: e713ca3791 (このIDを非表示/違反報告)
Link(プロフ) - 相宮さん» お返事ありがとうございます!気づかず遅くなってごめんなさい。ご丁寧にありがとうございました。どうしても世界を救ってほしい内容ばっかりですが、また新しいのも書いてるので読んでもらえたら光栄です。ほんとにありがとうございました。 (2018年4月23日 10時) (レス) id: ce80a0a1da (このIDを非表示/違反報告)
相宮(プロフ) - すいません!感想が先行して挨拶を書きますれてました!改めましてはじめまして!改めて見直すと少しパーシーっぽさが出てますね!いえいえ、自分のストーリーを持っていることはすごいことだと思います!はい、楽しく見させていただきますね! (2018年4月16日 18時) (レス) id: 771b003506 (このIDを非表示/違反報告)
Link(プロフ) - 相宮さん» はじめまして!感想とっても嬉しいです!お気持ちが伝わりました。パーシーも知ってる上で面白いと言って下さり本当に光栄です。このように変わったお話ばかりですが、よければ他のお話も読んでもらえると嬉しいです。本当にありがとうございました。 (2018年4月16日 11時) (レス) id: ce80a0a1da (このIDを非表示/違反報告)
相宮(プロフ) - 感想が長くて申し訳ないのですが、すごく面白かったです!次回作も読ませていただきます!長文失礼しました! (2018年4月15日 2時) (レス) id: 771b003506 (このIDを非表示/違反報告)

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作成日時:2018年3月15日 5時

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