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side Ryosuke
これまでに感じたことない熱が、俺の身体、奥底まですべてを、奮い立たせている。
けれど、それは俺だけじゃない。
俺の中の赤が、目の前の魔物をも奮い立たせ、その躰に力を与えている。
『フハハハ、やはりその石は、我が為にある。』
燃え上がるように、
その躰は赤く光り始め、
凄まじい妖気を放つ。
「くっ…!」
剣を振り上げたユウトは、奴を目掛け果敢に飛び掛かる。
ズシャッッッ…!!!
攻撃は的を得て、奴の躰を切り裂くように、ユウトの剣は弧を描いた。
だがその瞬間、
パキッ…
「っ…!!」
パキパキパキパキッッッ……
奴を切り裂いたかに見えたその剣に、亀裂が入っていき、
『お前の攻撃は、効かない。』
その言葉と同時に、バラバラと粉々に崩れ、
ユウトの手中から地面へと落ちていく。
「…く…ぅ、」
その様を、悲痛な声をあげ茫然と見ていたユウトに、
「っユウト!!」
炎に包まれたように赤く光る、奴の手が忍び寄り、
ドオオオオンッッッ……!!
「っぐぁ…っ!!」
凄まじい衝撃を受け、跳ね除けられたその身体は、数十メートルも先の大木にぶつかり、
ズシャアアッッ……!!
「っ、ユウト…!」
地面へと、倒れ落ちた。
ドクン…__
この赤が
ドクン…__
「ハハ、まずは剣の握り方からだな。」
勇敢で、心優しい、オリオンの戦士をも
ドクン…__
苦しめている ___
奴に触れたことで、ユウトの剣が粉々に崩れた。
俺が握る、ケイトからもらったこの剣も、ユウトのものと同じ。
いや、違う。
この剣は、赤く光っている。
力を、取り込んでる。
そう、目の前の、彼奴のように。
雑念は、とっくに捨てた。
宇宙を救う、スーパーヒーローなんて、
おれとは真逆の存在だ。
おれはただ、
俺を生んでくれた、大切に大切に育ててくれた、母さんと、
前を向く力を与え、俺を惜しみなく想い続けてくれた、慧。
ふたりを、
ふたりがいるこの宇宙を、
守りたい。
それだけなんだ。
ダッ…… ___
「りょうすけっ…、」
愛しい人の声が、微かに届いた。
その声を背に、俺は立ち向かう。
剣の握り方も攻撃法も、果敢に立ち向かう姿勢も、
オリオンの戦士が、教えてくれた通りにやってみせる。
.
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ふるは(プロフ) - 初めましてかな。やまいのに釣られて読ませて頂きました。初めは悲恋なのかな?と思いましたが2人の幸せが見れて良かったです。読ませて頂いてありがとうございました。 (2020年5月28日 10時) (レス) id: e713ca3791 (このIDを非表示/違反報告)
Link(プロフ) - 相宮さん» お返事ありがとうございます!気づかず遅くなってごめんなさい。ご丁寧にありがとうございました。どうしても世界を救ってほしい内容ばっかりですが、また新しいのも書いてるので読んでもらえたら光栄です。ほんとにありがとうございました。 (2018年4月23日 10時) (レス) id: ce80a0a1da (このIDを非表示/違反報告)
相宮(プロフ) - すいません!感想が先行して挨拶を書きますれてました!改めましてはじめまして!改めて見直すと少しパーシーっぽさが出てますね!いえいえ、自分のストーリーを持っていることはすごいことだと思います!はい、楽しく見させていただきますね! (2018年4月16日 18時) (レス) id: 771b003506 (このIDを非表示/違反報告)
Link(プロフ) - 相宮さん» はじめまして!感想とっても嬉しいです!お気持ちが伝わりました。パーシーも知ってる上で面白いと言って下さり本当に光栄です。このように変わったお話ばかりですが、よければ他のお話も読んでもらえると嬉しいです。本当にありがとうございました。 (2018年4月16日 11時) (レス) id: ce80a0a1da (このIDを非表示/違反報告)
相宮(プロフ) - 感想が長くて申し訳ないのですが、すごく面白かったです!次回作も読ませていただきます!長文失礼しました! (2018年4月15日 2時) (レス) id: 771b003506 (このIDを非表示/違反報告)
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