eight drops ページ43
side Kei
スーツを着て、その綺麗な目が見えるように前髪を上げて整えた涼介は、俺が初めて目にする姿で、思わず見惚れてしまった。
あの頃は、赤く光る左眼を他人に見られまいと、その美しい顔を隠していた。
けれど今、こんな風に堂々と露わにして俺の目を見て微笑む涼介に、胸の高鳴りを抑えきれない。
「…なに?なんかついてる?」
「…ううん。…かっこいいから見惚れたの。」
「ははっ、なにそれ。」
「…がんばってね、涼介先生。」
「…ふふ、うん。終わったら迎えに行くから。」
涼介がピアノの伴奏を務める、その卒園式を影から見ていたかった。もちろん、部外者の俺がそれはできるわけないけれど。
終わった後はデートしよう。なんて、昨日寝る前に言われて、あの頃いつもふたりで出かけてたのに、今はそれが全く違うものに感じる俺は舞い上がりすぎなのかな。
好き、が止まらなくて。
どんどん増えてく。
何年も一緒にいたのに、気持ちは膨らむ一方で。
もう、心の中は、涼介への想いでいっぱいいっぱいなんだよ。
「いってきます。」
見送る背中は、あの時よりもずっとずっとたくましくなったね。
新しい世界に飛び立つ子どもたちに、その小さな背中を押してあげる立場になったんだからね。
練習したピアノの伴奏、がんばって。
柔らかな朝の陽射しを浴びながら、歩いていく涼介を見送って家に戻ると、
「けいー、洗濯終わったから、干すのお願いねー。」
先に戻ってた母さんの声が響いて、思わず笑みがこぼれた。
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ふるは(プロフ) - 初めましてかな。やまいのに釣られて読ませて頂きました。初めは悲恋なのかな?と思いましたが2人の幸せが見れて良かったです。読ませて頂いてありがとうございました。 (2020年5月28日 10時) (レス) id: e713ca3791 (このIDを非表示/違反報告)
Link(プロフ) - 相宮さん» お返事ありがとうございます!気づかず遅くなってごめんなさい。ご丁寧にありがとうございました。どうしても世界を救ってほしい内容ばっかりですが、また新しいのも書いてるので読んでもらえたら光栄です。ほんとにありがとうございました。 (2018年4月23日 10時) (レス) id: ce80a0a1da (このIDを非表示/違反報告)
相宮(プロフ) - すいません!感想が先行して挨拶を書きますれてました!改めましてはじめまして!改めて見直すと少しパーシーっぽさが出てますね!いえいえ、自分のストーリーを持っていることはすごいことだと思います!はい、楽しく見させていただきますね! (2018年4月16日 18時) (レス) id: 771b003506 (このIDを非表示/違反報告)
Link(プロフ) - 相宮さん» はじめまして!感想とっても嬉しいです!お気持ちが伝わりました。パーシーも知ってる上で面白いと言って下さり本当に光栄です。このように変わったお話ばかりですが、よければ他のお話も読んでもらえると嬉しいです。本当にありがとうございました。 (2018年4月16日 11時) (レス) id: ce80a0a1da (このIDを非表示/違反報告)
相宮(プロフ) - 感想が長くて申し訳ないのですが、すごく面白かったです!次回作も読ませていただきます!長文失礼しました! (2018年4月15日 2時) (レス) id: 771b003506 (このIDを非表示/違反報告)
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