・ ページ21
「では、私はそろそろお暇致します。」
その後、いくつかの注意やお願いを挙げた。それは例えば、任務に支障が出てきたら連絡して欲しいとか、これまで以上に体調に気を付けるようにとか、そういった事だ。すると、定期的に報告をするとおっしゃった。忙しい御身であろうからそこまでしてくださらなくても構わないけれど、してくださるならそれは有り難いので、御無理の無い程度にとお願いした。そうしていると割と長居をしてしまったので申し訳ない。
「あなたは怒らないのか。」
「…あの、おっしゃる意味がよくわかりません、申し訳ありません。」
何に対して?あの烏から聞いていたし、先程も思ったけれど、冨岡様は話すのが得意でないようだ。私も別に得意ではないけれど。どうも言葉を選び選び話されているようにお見受けするが、選んだ言葉が正解ではないというか、何故そこまで言葉を絞り込むのか解らないというか。
「俺は、上手く話せないから…、よく相手を怒らせてしまう。」
「ああ…なるほど。」
自覚はお有りのようだ。私が思うに、最初から全部言ってしまえば誤解は生まれないだろう。何しろ冨岡様は言葉を絞り過ぎる。その旨を伝えると、しゅんとして、なるほどとおっしゃった。
「あの、冨岡様、大丈夫です。少しずつ、練習致しましょう。烏達だって最初はいろはにほへとから始めたんですから。」
何故だかわからないが励ます形を取る。私は何をしに来たんだろう。お役に立てているなら構わないけれど、これはお役に立てているのか。
「あなたは、優しい。」
「あ、はい、どうもありがとうございます??」
何だかもう噛み合っているのかいないのかすらよく解らない会話だった。私も大いに混乱していたので、気の利いたことを言えたかも定かではないが、何にしろ、僭越ながら冨岡様と少し仲良くなって、今回の訪問を終えた。
63人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あさ(プロフ) - 光華さん» コメント自体は本当に有り難く嬉しいので、どうかお気を悪くされない事を祈ります。再度、コメントありがとうございます (2020年8月7日 7時) (レス) id: 280f636c3f (このIDを非表示/違反報告)
あさ(プロフ) - 光華さん» 頻繁に改行をするものではなく、この書き方は私のポリシーとして出戻る前から確立されています。幼い頃から沢山の本を読み漁って確立された価値観ですので、申し訳ありませんが変える事は出来ません。占ツクでは万人受けしない事は承知の上ですが、ご理解お願いします。 (2020年8月7日 7時) (レス) id: 280f636c3f (このIDを非表示/違反報告)
あさ(プロフ) - 光華さん» コメントありがとうございます。有り難い御意見ではあるのですが、途中で書きました通り指数が毎話ギリギリになってしまっていて、改行分の字数すら惜しいくらいになっています。それから、私の中での文章や小説というものは、(例によって字数が足りませんので続きます) (2020年8月7日 7時) (レス) id: 280f636c3f (このIDを非表示/違反報告)
光華(プロフ) - 行間をもう少し空けたらどうでしょうか (2020年8月7日 6時) (レス) id: e4678e2dff (このIDを非表示/違反報告)
あさ(プロフ) - stereogirlさん» コメントありがとうございます!とても励みになります。割とこだわっている部分なので、そう言っていただけて嬉しいです。これからも頑張りますのでお付き合いお願いします。 (2020年7月15日 0時) (レス) id: 280f636c3f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あさ x他1人 | 作成日時:2020年5月28日 1時