まさかのお客さん ページ9
カランコロン___
『いらっしゃいま……せ?』
お客さんだ!と思って入り口の方を振り返った。___しかし、誰もいない。というかそもそもドアが開いていない。
『…………あの、誰か……?』
もしこれで幽霊だったら逃げよう。___あの世に幽霊っているのか?
???「にゃん」
え………?
???「にゃーあ」
『……………』
???「うにゃあ」
…………………ええぇぇぇぇ!?
猫がいらっしゃる……いや猫が買い物って聞いたことないけど…………
『……あの………』
???「うにゃ?」
『猫ですか?』
___って、なんて質問してんだ自分!
猫に『猫ですか?』って意味わかんないじゃん!
『…………や、あの……すいません…………』
咄嗟にさっきの質問を無かったことにしようと謝った。
だって、本当に猫だ。黒猫が首からお財布をぶら下げて、そこに立っている。
今まで見てきた中で一番変な光景かも。
………とりあえず、いつも通りにしてみよう。
『どんなお花をお探しでしょうか?』
黒猫「にゃあにゃあ」
花の見た目を伝えようとしているのか、黒猫は後ろ脚で立ったり、飛んだり跳ねたりした。
が、全くもって分からない。
『…………うーん』
黒猫「にゃ……………」
結局、数分間動き回っていたが、検討もつかなかったので別の方法を考えることにした。
さて、猫にどうやってお花を教えようか。
言葉じゃダメ、なら一目見てすぐに分かるようなもの…………
『___あ、そうだ』
あることを思い出した私は、店の奥のメインルームに走った。
メインルームには本棚が沢山あって、その中には花の図鑑があったはず。
写真なら言葉より簡単に理解しやすい、だから図鑑を持ってくることにした。
『よし、あった!』
分厚い花の図鑑を引っ張り出すと、それを抱えて黒猫の元へ戻った。
あれだけ飛び回っても分からないなら、きっと珍しい花だと思ったので、普段扱わないような真新しい図鑑を選んだ。
『黒猫さん!』
黒猫「にゃん?」
『この写真の中にありますか?』
バッと適当に開いたページを見せると、それはそれは普段見ないような珍しい花が、ずらありと載っていた。
1ミリにも満たないとてつもなく小さなお花や、高さが3メートルにもなる巨大なお花や、咲くのに7年もかかるお花まで………
黒猫「………」
『…………』
『ありますか……?』
黒猫「……………にゃ」
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クルイ - リクエスト、ありがとうございます! (2021年12月2日 18時) (レス) id: 6c77753d41 (このIDを非表示/違反報告)
からちゃ(プロフ) - パトさん» パトさんありがとうございます!なるほどNGワードですか…確認します。期待に応えられるように頑張ります! (2021年5月15日 12時) (レス) id: 1908544fd9 (このIDを非表示/違反報告)
パト(プロフ) - NGワードとかが入っちゃってる感じですかね……? ごめんなさい、コメントしておいて何ですがよく分かりません。この作品、とても好きなので一刻も早く更新が再開できるようになることを願っております! 体調に気を付けて頑張ってください! 応援してます! (2021年5月14日 21時) (レス) id: 8ed95612e3 (このIDを非表示/違反報告)
莉亜(プロフ) - ありがとうございます! (2021年5月14日 18時) (レス) id: 08c098a676 (このIDを非表示/違反報告)
からちゃ(プロフ) - 莉亜さん» 遅くなってすみません!今さらですが、この作品は完全オリジナルなので煮るなり焼くなり好きにしていただいて結構です!早くに返信できなくて本当にすみません、、、 (2021年5月14日 18時) (レス) id: 1908544fd9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:からちゃ x他1人 | 作成日時:2020年9月24日 21時