描くは過去の想い出 ページ14
カランコロン___
『いらっしゃいませ』
???「あのっ!この花ありますかっ!?」
随分高い声だなと思えば、慌てふためく小さな女の子が一枚の紙きれを広げているのが目に入った。
見た目は五歳くらいで、自分の腰よりも低いほどに小さかった。
『この紙に描いてある花ですか?』
女の子「そう!」
『………ちょっと貸してくれませんか?』
女の子「いいよ!はい!」
うんと背伸びをする女の子から紙を受け取ると、まじまじと絵を観察してみた。
____全体的にピンク色で描かれていて、一輪の大きな花というよりかは、たくさんの花が集まっている感じだった。
集まり方も独特で、丸い形に集まるんじゃなくて縦に細長い形を取るように描かれている……
パッと見た感じ、ピンク色のもじゃもじゃした物体が縦に細長く伸びているように見えるかも。
『………こういう花は数少ないので、すぐに見つかると思いますよ』
女の子「ほんと?」
『はい、少し待っていてください』
女の子「待ってる!」
満面の笑みで答えるこの子の顔を見ていると、プレッシャーが振りかかって来る気がする……
ともかく、ピンク色で花が集まっている種類を見つけることにした。
『お、これかな……?』
薄暗い貯蔵庫でそれらしき花を見つけることが出来た。数ヶ月前からこの貯蔵庫を占領していた、私にとっては少し厄介者のようなお花だ。
占領していたと言うのも、今回のお目当ての花は、まぁとにかく横に広がる箒のような花で、そもそもこの花は庭木として親しまれている花だから、スペースを四割ほど取っていた。
_____その花の名前は、『ハナズオウ』だ。
春になると濃いめのピンク色の花をつける。4月の誕生花でもある。
成長すると高さ2,3メートルにもなる低木で、大きなものだと10メートルにもなるので気をつけなければいけない。(天井を突き破られでもしたらたいへんだからね………)
『こんなに大きい花、どこか剪定して切り取って渡すしか無いな………………』
さすがに大きすぎるので、一番先の方の若々しくて花が沢山ついている枝の部分を選び、切り落とした。
『ありましたよ』
女の子「あったの?」
『はい、この花で間違いないですか?』
私は薄いピンク色の包装紙に包んだハナズオウの花束を見せて、確認を取った。
女の子「そう!このお花だよ!ありがとう!」
女の子はハナズオウを見るなり、顔を輝かせて受け取った。
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クルイ - リクエスト、ありがとうございます! (2021年12月2日 18時) (レス) id: 6c77753d41 (このIDを非表示/違反報告)
からちゃ(プロフ) - パトさん» パトさんありがとうございます!なるほどNGワードですか…確認します。期待に応えられるように頑張ります! (2021年5月15日 12時) (レス) id: 1908544fd9 (このIDを非表示/違反報告)
パト(プロフ) - NGワードとかが入っちゃってる感じですかね……? ごめんなさい、コメントしておいて何ですがよく分かりません。この作品、とても好きなので一刻も早く更新が再開できるようになることを願っております! 体調に気を付けて頑張ってください! 応援してます! (2021年5月14日 21時) (レス) id: 8ed95612e3 (このIDを非表示/違反報告)
莉亜(プロフ) - ありがとうございます! (2021年5月14日 18時) (レス) id: 08c098a676 (このIDを非表示/違反報告)
からちゃ(プロフ) - 莉亜さん» 遅くなってすみません!今さらですが、この作品は完全オリジナルなので煮るなり焼くなり好きにしていただいて結構です!早くに返信できなくて本当にすみません、、、 (2021年5月14日 18時) (レス) id: 1908544fd9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:からちゃ x他1人 | 作成日時:2020年9月24日 21時