【志麻】小動物とビタースカッチ

22. フラッシュバック ページ22

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バスから降りて、荷物を持つ。…アレ、これ私のじゃないわ、誰のこれ。←


混雑している上に次のバスもどんどん駐車場に入ってくる。


仕方なく、無駄に大きくて重いこの荷物を抱え、今回泊まる合宿所に向かった。



長い坂の先に合宿所はあった。


周りには所々に木が生えているだけ。


……私、この感覚知ってる。



_______ごめんね、お母さん忘れ物しちゃった。


____ここで待っててくれる？




違う。ここじゃない。あの坂は、ここじゃない…。


「…A？」


ふいに誰かの声が聞こえた。でも返事ができない。


足を止めることもできなくて、坂をゆらゆら登る。




_____すぐに戻ってくるから。ごめんね______




坂を登りきったとき、足の力が抜けて 地面に崩れ落ちた。


「ちょ、A！」


うっすら残った意識の先に、志麻くんが見える。


ごめん志麻くん、やっぱり君には話さなきゃいけないのかもしれないよ。



そこからは何も覚えていない。


ただ、最後に見た志麻くんの顔は、なぜかしっかり頭に残っていた。








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