✰*。 ページ8
また、目が覚める。
『今何時…?』
時刻、1:30。
『そらるさんの活動時間か…』
はぁ、また今日もメッセージ送られてきてるんだろうな。
もういらないのに。
愛してくれないでいいのに。
もう死にたいのに、そらるさんとだって言い寄られすぎてめんどくさくなって付き合っただけなのに、なんで私はふとした時にそらるさんのことを思い出すんだろう。
昔の友達も、家族も、みんな忙しそうで、それは彼だって同じはずで。
大好きだったお笑いも、受験の時には支えてくれた音楽でさえ、私を否定したのに。
なのになんで、貴方だけは私の隣にいるの。
もう訳が分からなくなって。
またキッチンに向かう。
そこに待っているのは包丁とお薬だけ。
『…どっちの方が楽に死ねるかな。』
お薬、だろうな。
私は袋に書いてある規定量を大幅にオーバーした数の錠剤を手に取り、そこで体が固まった。
やっぱり、早く終わるのは包丁かな。お薬だと苦しいかも。
そう思って、包丁に手をかけた。
が、手が震えて、上手く包丁が持てない。
なぜ?
持って、心臓に刺せば、それだけで楽になれるのに。
飲んで、少し待っていれば、ずっと眠れるのに。
なんで、それが出来ない。
ふと頭によぎる、そらるさんの顔。
笑顔、泣き顔、怒った顔。
照れた顔、真剣な顔。
…キスをする時の顔。
なんで、そらるさんばっかり。
[ねえ]
[起きてる?]
[睡眠時間的に起きてるでしょ、既読つけて]
[ねえ]
[心配なんだけど]
[怖いから家行くよ]
[まってて]
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:リリー | 作成日時:2022年1月3日 4時