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ハロウィンの終わりに ページ34

僕は、トランプ兵だった。
その他大勢の中にいるのが気にくわなくて、ある日女王の所から抜け出した。
抜け出した後は、いろんな人にパフォーマンスを見せて、称賛を得た。
あまり覚えてはいないけれど、いろんな所に行った様な気がする。
しかし、そんな日々は早々に終わりを告げた。
「首をおはね!」
いつの間にか、僕は女王に捕まっていた。
女王の隣には、スペードのジャックがいた。
前から僕のポジションを狙っていた奴だ。
彼が僕のことを告げたのだろう。
その手には、僕が使っていたのと色違いの斧が握られていた。
あぁ、それで僕を殺すんだ。
それ以外、あまり感じなかった。
君、せいぜい女王様を怒らせない様に気をつけて!という軽口まで叩く余裕すらあった。
だって僕の命なんて、そんなに大切な物ではないんだもの。
僕の代わりなんてたくさんいる。
その他大勢の中の一人が死ぬ。
ただ、それだけだ。

しかし、幸か不幸か、その処刑の直前に女王にあの知らせが届いた。
「自分の手下をリクルーティング?」
そう言って、女王はスペードのジャックを見た。
彼は優秀と言えば優秀だったが、ユーモラスに欠ける。
そして、僕の方を見た。
僕は、自称「不思議の国一のエンターテイナー」だ。
僕の代わりはたくさんいるけど、僕ほど人を楽しませることが向いている奴はいない。
「ジャック!ハートのジャックよ!」
「何でしょう?女王様」
僕はわざと丁寧にお辞儀してみせる。
「ハートのジャック、これがお前の最後の仕事だ。
人間界に行き、人間共を虜にし、私の手下を増やすのだ!」
これ以上必要なのかよ!?
そう思ったが、人を楽しませるのは、僕の生き甲斐だ。
それで死ねるのなら、僕は構わない。
むしろ、嬉しい。
女王様の言うことはいつも理不尽で、とても尊敬の湧くものではなかったけれど、その時だけは、心の底から言うことができた。
「わかりました。女王様。
私は貴女の仰せのままに!」

ハロウィンの終わりに2→←こんなのあったら面白いをアニメ予告風にしてみたw



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ユラ(プロフ) - ハロウィンタウンでリクルート・・・wwロック・ショック・バレル喜ぶだろうなぁww (2017年3月5日 13時) (レス) id: ac02456d2d (このIDを非表示/違反報告)
紅葉月 - halさん ありがとうございます! そう言っていただけると、嬉しいです。 これからあとちょっとの間よろしくお願いします。 (2015年11月26日 16時) (レス) id: 63ab5ed51a (このIDを非表示/違反報告)
hal(プロフ) - 設定4の話が気になりすぎます!次の話もものすごく楽しみです! (2015年11月25日 23時) (レス) id: 7a7a1ca9cf (このIDを非表示/違反報告)
紅葉月 - あ、気づきませんでした。 すみません。直しておきますね。 教えてくれてありがとうございました。 (2015年11月3日 17時) (レス) id: 63ab5ed51a (このIDを非表示/違反報告)
ROM民(プロフ) - はじめまして。「オリジナルフラグ」が外れていませんよ。二次創作ですので、棲み分けにご協力お願いいたします。 (2015年11月3日 16時) (レス) id: 67f8438bca (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紅葉月 | 作成日時:2015年11月1日 0時

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