人気歌い手の妹は大変です！ (ページ7)

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六話ページ7

「ハァハァっ……私がいない間にどんな噂たってんの……知りたくないなぁ…ハァっ」

ひたすら校門まで駆け抜ける。しばらく家出てなかったから、脚痛い…

校庭を抜けると正門に辿り着いた。すぐ道に出る。

普通、道に出る時多少は左右を確認するだろうけど。

……そんな判断力あると思う？

ドンッ

「いっ！？………」

「うおっ！ごめんなさい大丈夫！？」

盛大にぶつかったわけで。

ん？でもこの声聞いたことあるぞ？

尻もちついた腰が痛む。さすりながら顔を上げた。

「すみません、でし、た……

あれ、天月さん？」

「僕のこと知ってるの！？
り、リスナーさんですか？」

少しオロオロとしながら手を差し伸べてくれるイケメン。

うん。見たことある。天月さんだ。

手を取りながら私は言った。

「私、まふまふの妹です…」

「えっ！？ええええええ！？………

ええええええ！？」

驚き方が個性的だなぁ。リアクション好き。

「信じないでしょうけど…ていうか聞いてませんか？」

手を引かれ、立ち上がった。うーん、腰と足首痛いな……

「聞いてない、よ。本当に妹なのか、確かめてもいい？」

首を縦に振ると、スマホを取り出して電話をかけ始めた天月さん。

「あ、もしもしまふくん？今、近くまで来てるんだけど、高校の前でまふくんの妹だっていう女の子に会って…え？本物？てかいたの妹！？………うんうん。わかった。連れてくよ。うん。ばいばーい」

電話を切ってこっちを向いた。確認とれたみたい。

「まふくんの妹のAちゃん。疑ってごめんね。
僕もまふくんの家行くから、一緒にいこ？」

「はい。あ、でも……」

「でも？」

言うべきか迷ったけど、家までだときついしなぁ。

「足ひねっちゃったみたいで、肩か腕、貸してくれませんか？」

情けなさすぎやなぁ…