人気歌い手の妹は大変です！ (ページ6)

今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:19,278 hit

五話ページ6

学校。廊下。響き渡るL○NE着信音。立ち尽くす忍び。

(終わった。完全に終わった。後ろに視線感じるし、コール止まらない…)

出よう。死のう。ってか後ろからの視線が怖くて振り向けない…

「もしも氏ね、お兄ちゃん！！」

『最先端な挨拶だね！泣けてくるよ！！

学校どう？』

「いまね、ちょうど教室の外で忍びってたらお兄ちゃんから電話かかってきて背中に視線を感じてるところだよ！」

『あちゃちゃぁ…ごめんねA』

「ゆるす。帰れなくなったけどね」

『そっかー。僕これから撮影だから切るねバイバイ！』ブチッ

「おいっ…はああああ」

ため息つきすぎて酸欠になるくらい息吐ける心情だよ……

「あの、白樺さんだよね？」

ぎくっ

さっとスマホをしまい、姿勢を正し、完璧スマイルを用意すること二秒。

振り返った。

「はいっ！白樺Aですが、何かご用ですか？」

……やらかしたー

よね？

いや、違うかも。(たぶん)クラスメイトの女の子が顔真っ赤にして立っていた。

そのうしろにも同じ顔色の女子がこっちみてるし、廊下の向こうにも同じような状況が＿＿

「「「「かっかわいい～～～～！！」」」」

ハモるな

「白樺さんっ！久しぶりです！！覚えてますか、夢野です！！！」

「え？えと誰ですか…」

「白樺さん、お兄さんいるんですか！？きっとお兄さんもさぞお美しい人で……」

「お兄ちゃんは美しいというよりイケメンていうかどっちもあてはまるような……ん！？お兄さんも←！？も！？」

「白樺さん、広報部ですっ！日本随一の豪邸に住んでるって本当ですか！？あと、お兄さんって誰ですか！？お仕事は何を！？」

「広報部なんてあったの…豪邸って私一体何者……」

お兄ちゃんのお仕事はうたいt(

「白樺Aさん！実は海外に油田持ちの婚約者がいて、Aさんは十五言語話せるってほんとですか！」

「………」

私、初恋もまだだしこれからも無いし。十五言語て神じゃないんだから……

「白樺さん、やっぱりモデルですか！かわいいし、中学時代、100人に告白されたけど結局誰とも付き合わなかったんですよね！！噂で聞きました！」

中学時代はねぇ、黒歴史しか作ってな(((

「「「「白樺さん！！」」」」

し、白樺コールすげぇ…

私はとりあえず、

昇降口にむかって走った。