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第一話 〜出逢い〜 ページ1

コツ、コツ、と靴音が廊下に響き渡る。

その音はある部屋の前で消え、私はその部屋に向き直り、一つ深呼吸をした。

中指で扉を二回叩く。

「失礼致します」
「本日よりお嬢様の執事に預かりました、太宰治と申します。どうぞよろしくお願い致します」
明るく正しい言葉で挨拶をし、深くお辞儀をする。
頭を下げている為、相手の表情は読み取れない。


「顔をあげて」
透き通った美しい声が私の耳に届く。
その言葉の通り、顔をあげて彼女の姿を確認する。

「はじめまして。私はAA。これからよろしくね」

薄く紫がかった灰色のロングヘアは風に揺れ、窓から差し込む光を赤茶色の瞳にめいいっぱい写している。彼女の微笑みと相まっては更に美しい。

「新しい執事が来るとは聞いていたけれど…こんなに若いとはね。私と同じくらいの歳かな」

「はい。お嬢様と同じくら…」
私が答えようとすると、いきなりお嬢様が、ふふっと笑い始めた。

「な、なにか可笑しな事でも…?」
初対面から失礼でもしただろうか。

「お嬢様って言われるの、可笑しくって。
今までの執事はA様って呼んでたから」
「っ…申し訳ございません。では…A様」
「うん、太宰くん」

良かった。無礼では無かったらしい。寧ろ私の名前を呼ぶ彼女は御機嫌だ。


「そろそろお食事の時間です。移動致しましょう」
早々に食事というのは如何なものかと思うが、時計は気にせず、淡々と時間を告げる。

「そうだね…そんなに硬くならなくても良いよ?」
「ですが…」
相手は令嬢で、自分はその使用人。流石に格差がありすぎる。

「…あ、出逢ってばかりなのにそんな事言われても困るよね。ごめんね」
「あ、いえっ、こちらこそ…」


彼女は、まだよくわからない。

第二話 〜潜入〜→



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太宰愛華(プロフ) - 凄く面白いです!!何だか太宰さんが可愛くみえます。 (2017年4月7日 13時) (レス) id: 003b9a1db1 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - 海月さん» フラグの方、外し忘れをしておりました。ご指摘頂きありがとうございますm(_ _)m (2017年1月5日 16時) (レス) id: 718f02a46e (このIDを非表示/違反報告)
海月(プロフ) - こんにちは。「オリジナルフラグ」が外れていませんよ。違反行為ですので、速やかに外してください。 (2017年1月5日 16時) (レス) id: f08cf5272d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リリィ | 作成日時:2017年1月4日 14時

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