＊ ページ36
nb「この曲がダメなだけ。」
ru「なんで…」
nb「俺もよくわかんないけど、確か歌詞かメロディーかなんかがダメらしい？これ、この国の曲じゃないからさ。
俺あんまこの国の曲知らないんだよね。」
ru「そんな……」
好きな曲を自由に歌えもしないのだろうか。
これもまたなんて理不尽なのだろう。
外国の曲だから、というのも十分可笑しな理由だとラウールには思えた。
どう考えてもおかしいことを軽々と言ってのける渡辺と自分との間にどこかギャップを感じる。
nb「大司教、アイツ本当めんどいんだよなー…適当なこと言って俺らの自由を奪おうとするし。」
ru「なんでそんなことを…？」
先程から既に疑問ばかりだが、それでも次から次へと浮かび上がる。
これは自分が貧しい身で世間知らずだからか？
いや、違う。
なんだかんだ言って、人として生きることの“常識”は一番持っている自信がある。
だからだろう。
ここで聞くことは、常識外れのことばかりだ。
…特に、大司教に関することは。
そして、何故みんなそれに従うのか。
…それ以外の選択肢が無いということだろうか。
nb「……知らね。」
少し不貞腐れた様に、渡辺は柵の上に肘をついてそっぽを向いた。
これ以上聞くのは失礼に当たるか。
ru「ねぇしょっぴー、さっきの歌、続き歌ってよ。」
nb「えぇ？んー…別に…良いけど…」
青藍の眼をぱちくりとさせた渡辺は、少し躊躇いながらも再び旋律を紡ぎ出した。
一度歌い出せば、不貞腐れた表情は消え去り、穏やかな、だが少し恍惚とした様な表情に変わる。
月明かりに照らされながら歌う渡辺の美しい歌声に、ラウールは思わず聴き惚れた。
ru「…俺、しょっぴーの歌めっちゃ好きだなぁ。」
nb「えっ、あ、ありがとう……」
照れくさいのか目を逸らしながら、口元が緩む渡辺。
その手を首元にやった後、首元を撫でながらラウールに向かって少しぶっきらぼうに口を開いた。
nb「…もうそろそろ寝たら？朝起きれなくなるぞ。」
ru「そうだね……また、聞かせてよ。」
nb「また、な。」
ひらひらと渡辺が手を振ったのにラウールも振り返し、室内に戻る。
……ちょっと身体が冷えすぎたかな。
上着を着たまま頭まで布団を被り、体温を戻そうと試みる。
丁度その時にまたメロディが聞こえ始め、優しげな歌声が流れる中で、ラウールは瞼を閉じた。
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ゆ(プロフ) - れいあさん» お話書いていただきありがとうございます！更新楽しみにしています！ (2020年12月19日 15時) (
レス) id: a7e52b77bc (このIDを非表示/違反報告)
れいあ(プロフ) - ゆさん» 大変長らくお待たせしてしまい本当に申し訳ないです。めめラウのお話書かせていただきました…！全4話構成となります。ご期待に添えていれば幸いでございます。是非この作品をこれからもよろしくお願い致します……！ (2020年12月19日 13時) (レス) id: dccccf6903 (このIDを非表示/違反報告)
れいあ(プロフ) - 晦由さん» いいえ！前からお話の構成は出来ていたのですが、お話の順番の関係で中々公開できず………。本当に申し訳ないです。更新頑張ります！リクエストありがとうございました！！！ (2020年12月18日 23時) (レス) id: dccccf6903 (このIDを非表示/違反報告)
晦由(プロフ) - れいあさん» ありがとうございます！正直、忘れられているかと思ってました(笑)2話読ませていただきましたが、続きが楽しみです^^更新頑張ってください！ (2020年12月17日 23時) (レス) id: c44f20117a (このIDを非表示/違反報告)
れいあ(プロフ) - 晦由さん» 大変お待たせ致しました、あべさくのお話続編の方で書かせていただきました！全3話構成の予定です。ご期待に添えていれば幸いです。是非この作品をこれからもよろしくお願いいたします…！ (2020年12月17日 23時) (レス) id: dccccf6903 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れいあ
| 作成日時：2020年11月21日 19時
