藍宝石は月に歌う ページ35
ru「……ダメだ、ぜんっぜん眠れない。」
唐揚げとケーキで腹は満たされ、大満足のままベッドに潜ったは良いものの、昼寝のし過ぎで全く眠気が来ない。
流石に寝過ぎたか……。
ベッドでジッとしているのもなんだかもどかしくて、ラウールは立ち上がって冷蔵庫の飲み物を取りに行く。
冷えてるものを飲んで仕舞えば余計に目が冴えてしまうことを知っていたものの、どうしても冷たいものを飲んでスッキリしたい気分だった。
思った通り、喉を降りていく冷たい液体の感触は心地良かった。
ru「…外、出てみようかな。」
夜風に当たりたくなり、薄手の上着を羽織り、窓を開けラウールはバルコニーに足を踏み出した。
空高くに昇っている月の淡い光がラウールを照らす。
ひんやりとした風に吹かれ、どこか浮世離れした気分になった。
下を見れば、所々に光が灯っている。
電気が通ってる街の風景は門の外とは別世界の様であった。
ru「ん…？歌……？」
どこからか、旋律のようなものが聞こえてくる。
非常に綺麗で、落ち着くようなメロディ。
声のする方に顔を向ければ、数部屋分先の所で誰かがラウールと同じようにバルコニーの柵に寄っかかっていた。
ru「翔太くん…？」
暗闇にまだ目が慣れず、推測で名前を呼べば、先程まで聞こえていた旋律がピタッと止まる。
よく目を凝らせば、ラウールと同じくバルコニーに出ていた渡辺が、驚いた表情でラウールを見ていた。
暗闇の中に円熟した鋭い青が光る。
nb「えっ、起きてたの…？あっ、俺起こしちゃった？小さな声で歌うようにしてたんだけど…」
ru「ううん、昼寝し過ぎて眠れなくなっちゃって…翔太くんも？」
nb「……いや、」
ラウールの予想を否定した渡辺は、ラウールから顔を逸らし夜空の月を見上げた。
距離があるせいでハッキリとは見えないものの、少し切なげな、哀しげな表情に、理由も無しに胸がきゅっとなる。
…眠れなかった訳じゃないなら、わざわざ起きていたのだろうか？
nb「…夜なら、誰にもバレないから。」
ふっか達にはバレてるけど、と渡辺は付け加える。
…バレないから？
まさか、佐久間の剣や宮舘の料理のように、歌まで禁止なのか？
ru「もしかして、歌っちゃいけないの…？」
nb「あぁ、別に歌うのは平気だよ。」
ケラケラと笑いながらラウールに答える渡辺。
でもその笑顔は一瞬にして消え、先程までの哀しげな表情に戻った。
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ゆ(プロフ) - れいあさん» お話書いていただきありがとうございます！更新楽しみにしています！ (2020年12月19日 15時) (
レス) id: a7e52b77bc (このIDを非表示/違反報告)
れいあ(プロフ) - ゆさん» 大変長らくお待たせしてしまい本当に申し訳ないです。めめラウのお話書かせていただきました…！全4話構成となります。ご期待に添えていれば幸いでございます。是非この作品をこれからもよろしくお願い致します……！ (2020年12月19日 13時) (レス) id: dccccf6903 (このIDを非表示/違反報告)
れいあ(プロフ) - 晦由さん» いいえ！前からお話の構成は出来ていたのですが、お話の順番の関係で中々公開できず………。本当に申し訳ないです。更新頑張ります！リクエストありがとうございました！！！ (2020年12月18日 23時) (レス) id: dccccf6903 (このIDを非表示/違反報告)
晦由(プロフ) - れいあさん» ありがとうございます！正直、忘れられているかと思ってました(笑)2話読ませていただきましたが、続きが楽しみです^^更新頑張ってください！ (2020年12月17日 23時) (レス) id: c44f20117a (このIDを非表示/違反報告)
れいあ(プロフ) - 晦由さん» 大変お待たせ致しました、あべさくのお話続編の方で書かせていただきました！全3話構成の予定です。ご期待に添えていれば幸いです。是非この作品をこれからもよろしくお願いいたします…！ (2020年12月17日 23時) (レス) id: dccccf6903 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れいあ
| 作成日時：2020年11月21日 19時
