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先程までニコニコしていた佐久間の表情がふっと変わる。
人が変わったような、恐ろしく鋭い眼差し。
“ゲーム”に対してまさかここまで本気だとは思わなくて、ラウール思わず後退りし、木刀を握り直した。
佐久間の体勢が突然グッと低くなったかと思えば、勢いよく踏み切ってラウールに斬りかかる。
ru「うわぁっ！？」
咄嗟にラウールが避ければ、佐久間はスタッと地面に降り立ち、剣先をラウールに向けながら再び右片方の口角を上げた。
sk「良い反射神経だね…ほんとセンスある…よっ…！」
喋り終わらないまま、また佐久間はラウールに斬りかかった。
剣の経験が無いながらも、なんとか自分の木刀で佐久間のを止める。
押されないように必死に力を込めるが、ギリギリと音が鳴り、段々自分の方に剣が傾いてくる。
sk「ふははっ！」
パッチリした大きな目を更に大きく見開いた佐久間の昂揚とした笑い声が響く。
どこか背筋が凍るような物恐ろしさを感じたラウールは、思わず怯んでしまった。
その瞬間、パッと佐久間はラウールから離れ、後方に退がる。
その前まで前方に全力で力を込めていたせいで、ラウールの身体は前に傾いていく。
……まずい、倒れるっ！
床に激突すると思い、ラウールは目をぎゅっと瞑った。
だが、身体には衝撃も痛みもない。
ru「あれ……？」
前から何かに支えられ、横腹に何かが当たっている感覚。
恐る恐る目を開ければ、そこには満面の笑顔の佐久間が。
ラウールが倒れないよう佐久間が前方から支えて、木刀は彼の横腹に。
相手の身体に剣が触ったら勝ちというのがこの遊びのルール。
つまり、佐久間の圧勝である。
sk「えへへっ勝ったぁ〜！」
…いや俺木刀握るの初めてだし。
少し不服に思ったラウールだが、それを堪える。
このまま負けたままだとどこか気分が悪い。
ru「ねぇ佐久間くん、もう一回やろう」
sk「もっちろーん！」
一敗、二敗、三敗とラウールの連敗が続く。
騎士の家の息子に、本日初めて木刀を握る農家の息子が勝てるはずがないのだが、血気盛んな最年少は諦めない。
もう一回、もう一回と続けるうちに、日が落ちてきてしまった。
sk「んーじゃあこれで最後ね！」
ru「っわかった…」
正直、ラウールはもう疲労困憊であった。
けど、疲れより連敗の悔しさが勝っていた。
今日最後の一戦くらいは勝ちたい。
そう強く思って、ラウールは全神経を木刀を握る腕に集中させた。
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ゆ(プロフ) - れいあさん» お話書いていただきありがとうございます！更新楽しみにしています！ (2020年12月19日 15時) (
レス) id: a7e52b77bc (このIDを非表示/違反報告)
れいあ(プロフ) - ゆさん» 大変長らくお待たせしてしまい本当に申し訳ないです。めめラウのお話書かせていただきました…！全4話構成となります。ご期待に添えていれば幸いでございます。是非この作品をこれからもよろしくお願い致します……！ (2020年12月19日 13時) (レス) id: dccccf6903 (このIDを非表示/違反報告)
れいあ(プロフ) - 晦由さん» いいえ！前からお話の構成は出来ていたのですが、お話の順番の関係で中々公開できず………。本当に申し訳ないです。更新頑張ります！リクエストありがとうございました！！！ (2020年12月18日 23時) (レス) id: dccccf6903 (このIDを非表示/違反報告)
晦由(プロフ) - れいあさん» ありがとうございます！正直、忘れられているかと思ってました(笑)2話読ませていただきましたが、続きが楽しみです^^更新頑張ってください！ (2020年12月17日 23時) (レス) id: c44f20117a (このIDを非表示/違反報告)
れいあ(プロフ) - 晦由さん» 大変お待たせ致しました、あべさくのお話続編の方で書かせていただきました！全3話構成の予定です。ご期待に添えていれば幸いです。是非この作品をこれからもよろしくお願いいたします…！ (2020年12月17日 23時) (レス) id: dccccf6903 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れいあ
| 作成日時：2020年11月21日 19時
