＊ ページ16
数分もしないうちに、ぞろぞろと王国中の信者が大聖堂へと入ってくる。
皆の目当ては勿論“ダイヤモンド”であるラウール。
なんせ、何十年も最後の一人が現れ、九人が揃うことを国民は皆待っていたのだ。
いや、何百年かもしれない。
王国の歴史上、九人が揃うことは一度もなかった。
一人や二人だけが出現することは遥か昔にあったが、九人全員はまず無かった。
待望の九人目。
これで王国に平和が訪れる。
そう信じてやまない人々は、彼の声だけでも聞きたいと必死なのである。
「ダイヤモンド様……！あぁ、本当に良かった！これで我が国は救われる……！」
ru「は、はぁ……」
でもそんなことを知らないラウールには、単純に彼らが狂気的としか思えなかった。
宗教とはこんなにも人を狂わせるのか、としみじみ感じていた。
ru「ダイヤモンド様って…俺ラウールだし……」
入室する者皆が口を揃えて発する、“ダイヤモンド様”という言葉。
ラウールにはそれがとことん気持ちが悪くて、半分の時間も過ぎていないのにヘトヘトだった。
入室する者の話はラウールが見つかったことの歓喜や、罪の告白など、正直どうでも良いことばかりで気が滅入ってしまっていた。
問題無いって言ってたし、話なんて聞かないで寝ちゃおっかなぁ…
丁度そう思っていた時だった。
「ラウール………？」
酷く聞き覚えのある声。
先程までの眠気なんてふっ飛んでラウールは飛び起きた。
ru「母さん！？」
仕切りで顔は見えないものの、相手が誰だかは歴然だった。
あの声を聞き間違える筈がない。
自らの、母親の声を。
「ラウールっ…ごめんなさい、本当にごめんなさい……！」
啜り泣く様な音と共に、懐かしい声が響く。
必死にラウールに向かって謝る母の様子に、今朝の自分の考えが蘇る。
もしかして、本当に母さんが俺のことを王国兵に…？
そんなことを認めたくなくて、思わずラウールは声を荒げた。
ru「なんで謝るの！？辞めてよ！！！」
「あの時っ…あの時私がお医者様の所なんかに行かなければ…！」
ru「え、医者……？」
ラウールの母は、ラウールの言葉がまるで聞こえていなかったかのように、取り乱して後悔の念を露わにする。
もしかしたら、何があったのかを俺に教えてくれるかもしれない。
そう思ったラウールは、声を荒げるのを止める。
時々言葉に詰まりながらも、彼女は昨日の朝に何があったのかを告げた。
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ゆ(プロフ) - れいあさん» お話書いていただきありがとうございます！更新楽しみにしています！ (2020年12月19日 15時) (
レス) id: a7e52b77bc (このIDを非表示/違反報告)
れいあ(プロフ) - ゆさん» 大変長らくお待たせしてしまい本当に申し訳ないです。めめラウのお話書かせていただきました…！全4話構成となります。ご期待に添えていれば幸いでございます。是非この作品をこれからもよろしくお願い致します……！ (2020年12月19日 13時) (レス) id: dccccf6903 (このIDを非表示/違反報告)
れいあ(プロフ) - 晦由さん» いいえ！前からお話の構成は出来ていたのですが、お話の順番の関係で中々公開できず………。本当に申し訳ないです。更新頑張ります！リクエストありがとうございました！！！ (2020年12月18日 23時) (レス) id: dccccf6903 (このIDを非表示/違反報告)
晦由(プロフ) - れいあさん» ありがとうございます！正直、忘れられているかと思ってました(笑)2話読ませていただきましたが、続きが楽しみです^^更新頑張ってください！ (2020年12月17日 23時) (レス) id: c44f20117a (このIDを非表示/違反報告)
れいあ(プロフ) - 晦由さん» 大変お待たせ致しました、あべさくのお話続編の方で書かせていただきました！全3話構成の予定です。ご期待に添えていれば幸いです。是非この作品をこれからもよろしくお願いいたします…！ (2020年12月17日 23時) (レス) id: dccccf6903 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れいあ
| 作成日時：2020年11月21日 19時
