隔たれし再会 ページ15
ru「ここが、大聖堂…!」
馬車から降りて大聖堂に入れば、あまりに壮大な光景にラウールは息を呑んだ。
とてつもなく広い空間だが、壁の細部にまで模様や絵が施してある。
窓は美しいステンドグラスになっていて、正に芸術。
王宮の他に一際大きな建物があることは知っていたが、それが大聖堂だったとは。
その厳かな雰囲気に、一歩一歩進む度に緊張感が走る。
ab「っふふ、綺麗だよね、ここ」
ru「うん、凄く綺麗…」
ab「実はここも何百年も前の戦争で焼けちゃってて、20年くらい前にやっと再建されたの。ステンドグラスとかも、ほぼほぼ元通り」
ru「そうなんだ…」
近くに立っていた阿部に言われ、ラウールはもう一度ステンドグラスを見上げる。
…そういえば、あの予言に関するステンドグラスはないのだろうか。
そんなに人々が予言を信じているのなら、一つくらいは壁画でもステンドグラスでもあっても良いのでは、とラウールは思った。
ru「予言に関する物は何もないの?」
ab「あーそれね。礼拝堂のステンドグラス、覚えてる?元々あれはここにあったの。
でも、バリバリに砕けちゃって、元に戻すのに時間かかりそうだったからあっちへ移動したんだってさ。
前言った通り、宗教関係の大事な資料もほぼ全焼で復元が今のところ不可能。
予言系はまさか本当に現実になるとは思っていなかったみたいだから、誰もちゃんと覚えていなかったんだって。
まぁ無い物はしょうがないから、とりあえず“救世主”ってことで皆は俺たちを崇めるんだよ。
だから、予言に関する物で実在するのは、今のところは礼拝堂のステンドグラスと、“俺たち”だけだね。」
ru「ふーん……」
ab「…そろそろ行こっか、もうすぐ人が来る」
他の八人の後をついて、ラウールも大聖堂の奥へと向かう。
奥には小さな部屋が九つあって、そのうちの一つにラウールは入室した。
岩本が言っていた通り、どうやらここで5時間、部屋に入室してくる人の話を聞けばいいらしい。
返事をしたら喜ばれはするものの、別にする必要はない、とのこと。
相手とは仕切りで隔たれていて顔が見えない為、最悪寝ててもいいらしい。
ただ、仕事中は大聖堂を出てあの離れに戻るまで自分の名前や他の八人の名前を呼ぶのは禁止。
代わりに石の名で呼ぶこと、だそうだ。
よし、寝るのは失礼だし、聞くだけ聞こう。と、ラウールは気合を入れた。
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ゆ(プロフ) - れいあさん» お話書いていただきありがとうございます!更新楽しみにしています! (2020年12月19日 15時) (レス) id: a7e52b77bc (このIDを非表示/違反報告)
れいあ(プロフ) - ゆさん» 大変長らくお待たせしてしまい本当に申し訳ないです。めめラウのお話書かせていただきました…!全4話構成となります。ご期待に添えていれば幸いでございます。是非この作品をこれからもよろしくお願い致します……! (2020年12月19日 13時) (レス) id: dccccf6903 (このIDを非表示/違反報告)
れいあ(プロフ) - 晦由さん» いいえ!前からお話の構成は出来ていたのですが、お話の順番の関係で中々公開できず………。本当に申し訳ないです。更新頑張ります!リクエストありがとうございました!!! (2020年12月18日 23時) (レス) id: dccccf6903 (このIDを非表示/違反報告)
晦由(プロフ) - れいあさん» ありがとうございます!正直、忘れられているかと思ってました(笑)2話読ませていただきましたが、続きが楽しみです^^更新頑張ってください! (2020年12月17日 23時) (レス) id: c44f20117a (このIDを非表示/違反報告)
れいあ(プロフ) - 晦由さん» 大変お待たせ致しました、あべさくのお話続編の方で書かせていただきました!全3話構成の予定です。ご期待に添えていれば幸いです。是非この作品をこれからもよろしくお願いいたします…! (2020年12月17日 23時) (レス) id: dccccf6903 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:れいあ | 作成日時:2020年11月21日 19時