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▼虫
└とても嫌い。視界に入らないでほしい。ので、消えて頂いている。と言ってもだいたい反射で手が出てしまうため、壁や鏡などに止まっていると毎回のように拳を痛めている。小さな呻き声をあげて拳をさすっていれば……。まあ、そう言うことである。ちなみに確率は半々。
嫌いだけど始末はできるため、虫が苦手な人たまに頼られる。虫に対しては嫌悪感より殺意が先に出る。
▽夏
└暑い。他に理由はいらない。
【趣味／特技】
▼折り紙
└手先が器用で、本人曰く「なんでも折れる」とのこと。実際、鶴や船といった簡単なものだけではなく、立体的な花やくす玉といった凝ったものを短時間で、そして綺麗に折ることが出来る。
以前、構内で親とはぐれてしまった子供を泣き止ませるためにダメ元で花を折ったところ、想像以上に喜んでもらえたため、それ以来同じようなことがあればよく折ってあげている。また、折り紙はポケットに入るくらいの小さなものを持ち歩いている。
▽利きりんご
└有名所のりんごであればそれなりに分かるとのこと。正解率はかなり高いのだが、一度もその実力を発揮する機会がなかった。多分今後もない。
【備考】
青森の小さな田舎町で生まれる。夏はそれほど暑くないけど、冬は雪かきをサボれば玄関が埋まって外に出られなくなってしまう。娯楽施設なんてあるわけがなく、車で隣の街まで行かなければならない。見渡せば山と田んぼ、遠くにうっすらと見えるお店の看板の光。どこにでもあるような平和でつまらない、そんな場所。
……まあだからと言って、特別になることも、刺激のある毎日を求めているわけでもないが。
貧乏でもなければ特別裕福でもない一般的な家庭に生まれたが、仄香は両親と友人に恵まれた。愛を惜しみなく注いでくれる両親に、優しくて明るいみんなの人気者、憧れの幼馴染で親友のあの子。
特に問題が起こることもなく順調に地元の小学校、中学校を卒業し、高校もまた地元で、親友のあの子とともに進学した。運動はあまり得意ではなかったが、勉強は出来た。あの子がわからない所があると言えば、よく教えてあげてたし、仄香がバレーでうまく出来ないところがあれば、運動が得意なあの子がつきっきりで教えてくれた。
どこへ行くにもずっと一緒だった。朝も、お昼も、放課後も、休日だって。
高校生になって動ける範囲が少し広がった。平凡だけど、ちょっと楽しい毎日。
ずっと、こんな日が続くと思っていた。
あの夏が来るまでは。
→
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作者名：ツツジ | 作成日時：2022年7月10日 13時
