リリス・カーペット【魔入間（夢小説）】

オペラ先輩と私。 ページ6

あのカルエゴとシチロウが番長であるオペラの舎弟となった、何でも喧嘩に負けたかららしい。そんなAは何故かオペラを膝枕していた。はて、それにしても…どうしてこうなった？

彼女の友人である二人の悪魔はオペラの為にパンを買いに走り、結果オペラと二人きりになってしまった。他人事のように走り去って行く二人を眺めていたAへ、長い尻尾を揺らし近付いて来るオペラについつい身構えてしまう。

「初めましてオペラです」
「こちらこそ、初めまして…」

Aです？と自己紹介を開始する、上級生で先輩だし挨拶されたなら答えないと…そう口からポロリと出てしまった。そんなAを見つめ、彼女の事を知っていたのか「お噂はかねがね」と微笑むオペラ。それってつまり…男に群がられ噂が絶えない女悪魔だと仰りたいのだろうか。ただそれに関しては全て不可抗力なんですがね？

「カルエゴくん、シチロウくんとはどのようなご関係にあるんです？」
「あぁ…級友なんです。昼食に誘おうと周りに聞き探してここまで来たんですけど、結局行き違いになってしまって…」

あの二人、足が速いから追い付けそうにないし…ただパンを買いに走ったのならまたここへ辿り着くだろうと考えた結果、Aはオペラの元にいたというわけだ。なるほど…と納得したオペラは耳をピンと立てて面白い事を思い付いた。そんな意地悪げな笑みを零した。

「Aさん、是非お願いしたい事があるのですが構いませんか？」
「えっ？あ、はい…？」

ーーー

そして膝枕、今に至ると言うわけで…オペラ先輩は私の腹部へ顔を預けて膝に頭を置き猫のように身体を丸め目を閉じていた。オペラのあどけない表情が何とも愛らしく、Aはついそのふわふわなくせっ毛に手を伸ばしそっと頭を撫でたのだ。子守唄のように小さく口ずさむ歌に尻尾が立ったままゆっくりと左右に揺れていた。猫が機嫌の良い状態で、リラックスしている時や安心している時に見られる行動である。

しかし直ぐに沢山のパンを購入したであろうカルエゴ、シチロウの登場と共に膝枕は禁止となってしまったが。Aにくどくど「少しは危機感を持て馬鹿者が！！」と説教するカルエゴと「まぁまぁ…」と落ち着くように宥めるシチロウ。それを揶揄い「またお願いしますね？」と笑うオペラ。Aはカルエゴの説教を右から左へ受け流し、取り敢えずその多種多彩で選ぶのが楽しいパンを一つ食べても構わないかな？お腹空いたんだけど…と眺めた。

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