リリス・カーペット【魔入間（夢小説）】

イフリート先生と私４ ページ31

シチロウへ謝るAは狼狽えながらも何とか励まし？慰め？ては見たものの、一向に浮かない顔をするシチロウにまたも「ごめんなさい」と謝罪した。

オトモダチ。そんなに嫌なのかしら…別に恋や愛を前世浴びる程経験した為に鈍感ではない。だから大変酷い女だと理解出来るも、しかし今の関係が壊れる事の方が怖かった。それを願う私は我が儘なのだろうか…今世は誰にも振り回されず、縛られず自由気ままに生きたいと思うだけなのに。

またもや悩み事が増えて行き、憂鬱なまま廊下を歩いて行く。生徒達は決まった場所で屋台を設置しており何だか微笑ましい。認識阻害眼鏡を着用しているAはその光景を見つめながら邪魔にならない場所で腰を下ろした。普段静かな場所がこんなにも活気溢れており何だか楽しそうで目を細める。

「お仕事をサボって休憩ですか？」
「ひゃっ！？……やだもう、突然現れないで下さいよ。エイト先生…」
「僕は見回りですよ。見慣れた先生が座りながら師団の準備を眺めていたんでどうしたのかなぁ…って？」
「どうもしませんよ。ただ楽しそうで一所懸命で可愛らしくて…あの笑顔を見ていたら活力が湧いて来ると言いますか。本当に愛おしくてシチロウくん見たいに頑張ってるね、偉いね、良い子だね。と沢山撫で回したくなってしまって…」
「A先生が褒め殺したら皆が士気高揚しそうですけどね」

イフリートは考える、逆に言う事を聞かないで叱られたいと願う生徒も出て来そうだが『頑張っていて偉い、良い子ね？』と甘やかすA先生や『こら、真面目にしないと駄目でしょう？』と叱っているのに、それはそれでご褒美見たいな叱り方を想像する。性癖を歪まされる男が増殖しそうだな…現にちょっとだけ羨ましいと思ってしまった僕がいる。

「うーん…それって、先生方にも効きますかね？」
「えっ？」

エイト先生、少し屈んで頂けます？そう言ったAに困惑しながらも少し身体を屈めたイフリートの魔烏の濡れ羽色の髪をそっと撫でた。肩を浮かせ沸騰したように顔を赤く染め上げても尚、ずっとされるがままのイフリートへ声を掛ける。

「良い子。お仕事…毎日が大変でしょうけどいつも生徒達を見守って下さりありがとうございます」
「……は、はい」
「これからもお互い頑張りましょうね？」

耳にすっ…と入って来る透き通った声に身体が上手く動かない。寧ろもっと撫でて欲しいと懇願してしまいそうで…イフリートは甘い声に小さく頷き尻尾を揺らした。

生徒と私２→←シチロウ先生と私３

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す