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オリアス先生と私2 ページ21

オリアスは医務室の周りをウロウロしていた、いつもは職員室で仕事をするAが最近は医務室にこもる事が多いからである。少しだけ顔が見られたら良いな、もし良ければ会話出来たら…と言う下心のままお菓子を忍ばせる。

「……」

いや、やっぱり駄目だろ…俺が今暇だとしても彼女は忙しいかも知れないし、何ならA先生の邪魔になるかも知れないんだ。引き返した方が…いや、でもーー…

「あら…オズワール先生?」
「うわっ!?」

ドアからひょっこりと顔を覗かせて、小首を傾げながら声を掛けたAに驚き後退りする。ハットを深々と被り恥ずかしさから赤くなる顔を見せないようにしてゆっくりと彼女の元へ近付く。Aは先程からずっと彷徨く気配に薄々と気付いていた。しかし一向に入って来ず、普段ならば理由もなく無遠慮に入って来る生徒ではない為不思議に思い話し掛けたりするのだが…

「どうなさいました?どこか体調不良や、お怪我でも?」
「あぁ〜…いえ、あのですね…?」

隠し持っていた包み紙を差し出す、中にはクッキーが入っており視線を逸らすオリアスは「A先生は、甘い物がお好きだと聞いて…」と言葉にする。正しくは他の教師に餌付けされ良く甘い物を摘んでいる姿を見ており、知っていたと言うのが正解である。見せられたそれに目を輝かせたAは嬉しそうに綻ばせて受け取った。

「まぁ、ありがとう!でも、良いのかしら…?」
「はい。勿論ですよ、貴女に貰って欲しくて持って来たようなものですし…」
「!…それじゃあ、折角ですしオズワール先生も御一緒しませんか?魔茶でもお出ししますよ?」
「えっ…」
「あっ、もしかして…まだ授業が残ってましたか?」
「いえ!全く!寧ろ…俺がお邪魔して良いのかなと…」
「全然構いませんよ、寧ろ私はオズワール先生と御一緒したいので…どうぞ?」

医務室へ案内し、椅子に座って貰うよう声を掛ける。クッキーだから魔茶ラテにしようと準備するAにどこか居心地悪そうに腰掛けたオリアスがいる。

「魔茶ラテで大丈夫ですか?」
「はい」

ゆらゆらと長い尻尾が揺れている、じっと彼女の後ろ姿を見過ぎていたのかこちらを振り返るAと目が合ってしまいオリアスは顔を俯かせた。マグカップに注いだ魔茶ラテを手渡すAは徐に隣へと腰掛ける。袋から取り出したクッキーを一つ取り出して、自身が食べるのかと見ればこちらへと差し出して来たのでオリアスはゴフッと魔茶ラテを吹き出した(続く)

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ふゆ(プロフ) - お気に入りに追加失礼します。小説、めちゃくちゃ最高です。神かな、神なのかな?神n((((×???(よかったらキリヲ先輩も出して欲しいです《リク(無理にとはいいません)》何かあって夢主の精神がヤバイときにキリヲ先輩だけに悩みを言えるみたいなのが欲しいです🙇 (4月24日 17時) (レス) id: 2bf5e7b9f5 (このIDを非表示/違反報告)
カニ - 面白い (12月27日 15時) (レス) @page1 id: 3289ba78cf (このIDを非表示/違反報告)
カニ - 面白い (12月27日 15時) (レス) @page34 id: 3289ba78cf (このIDを非表示/違反報告)
紫きゃべつ(プロフ) - 更新されるたびに読んでます。最高でした…………。ちなみに、イチョウ先生出して貰えませんでしょうか…………。(無理言ってすみません。) (2023年3月12日 9時) (レス) id: e2ed0269e2 (このIDを非表示/違反報告)
蒼空(プロフ) - ありがとうございます!今確認してコメント貰えて感激しておりました🥰ゆっくりで申し訳ございませんが頑張りますので宜しくお願い致します😌 (2023年1月22日 23時) (レス) id: 20a6d91668 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:蒼空 | 作成日時:2023年1月15日 8時

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