レモネードロマンティック ページ24
○JISUNG
〉起きていたらご飯を食べに来る？
『うわ、びっくりした』
「わ、1人で来れたの？」
「あれ、早かったね」
もう少ししたら迎えに行こうと思ってたのとヌナはにこりと笑って、この状況が分かっていないのは僕だけなのかもしれない。手を引かれるままにリビングに着いて、なんだかすごく良い匂いがする。キッチンに並んでいるふたりを見ていたら、ヒョンがこっちに歩いて来た。
『ジェノヒョン、ヌナのところにいたの？』
「朝からいるよ、後で連れて帰ってくれたら嬉しいな」
「なんで」
「ちょっと出掛けるから」
スケジュールが少しだけ落ち着いて、今日は朝からお休みだった。お昼前に目を覚ましたらヌナから連絡が来ていて、まだご飯を食べていなかったからすぐに着替えて向かいのマンションまで走って行った。ヒョンたちにバレたらややこしくなりそうだったから。ここに1人いたけど。
ヌナのお部屋のはずだけど、テーブルにはヒョンの携帯と、ソファーにはヒョンがいつも着ている上着が置いてあった。ここだけ切り取ったら誰の宿舎なのか分からないと思う。
「どこ行くの」
「レッスン入れたの、だから1人になっちゃうよ」
『何のレッスンですか？』
「ひみつ」
またにこりと笑うから、そこから先は聞けなくて、3人でご飯を食べた後、ヒョンの上着を少しずらしてソファーに座る。アイスクリームを持って来てくれたヌナが、僕とヒョンにスプーンを渡してくれた。
「A食べないの？」
「わたしお腹いっぱいだから」
「好きなやつなのに？」
「まだたくさんあるから」
もう行くねとソファーから立ち上がって、僕の頭を撫でた後、本当に玄関まで歩いて行ってしまった。すぐにヒョンが追いかけて、ここまでは聞こえないけど、何か2人で話してる。
「チソンア、もう帰る？」
『うん、ヒョンは？』
「もうちょっとここにいる」
『ヌナを待つの？』
「うん、見たいドラマあるから」
『ああ、それヌナも見たいって』
「そうなの？じゃあ尚更待たなくちゃ」
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作者名：yom | 作成日時：2022年12月5日 18時
