第7章 クィディッチ ページ39
クィディッチシーズンが近づいてきた。
スリザリン寮の代表選手は日に日にピリピリと神経質になり、1年生の女子生徒は談話室でクスクス笑いをしたという理由で怒鳴られていた。
学校全体もこのような緊張感に包まれ、寮同士のいざこざも目に見えて増えていた。
しかし、このいざこざも必ずしも無意味なものではなかった。
「この前、廊下で立て続けに呪文が炸裂してフィルチが激怒してたわ。」
エレンは嬉々として話した。
様々な寮同士の歪み合いはあってもフィルチに対する熱い思いはどの生徒も同じだった。
「使われた呪文は禁止リストに載っていないものだったの！だからフィルチは罰則出来なくて…」
エレンが聞いた話では生徒の方が一枚上手なようで、フィルチもだいぶ手を焼いているようだ。
アリシラは誰よりもクィディッチの試合を楽しみにしていた。
もちろん他の生徒のようにスポーツ観戦を楽しみたいという気持ちではなく、彼に会いたいという気持ちだった。
「アリシラ、とうとう明日はクィディッチだね！」
「ん〜、まあね」
寮の部屋でトランクを開けていたアリシラは曖昧に返事をした。
「最近毎晩トランクを開けているけど、どうしたの？」
「ん〜、まあ」
エレンはフンッと鼻を鳴らした。
「その髪飾りはなぁに？」
アリシラは誕生日にドラコからもらった蛇の髪飾りを握っていた。
「誕生日にもらったの。」
「ちょっと、、それ、小鬼の特注のやつよ。」
「、、え？」
エレンは髪飾りをアリシラの手から取ると興味深そうに眺めている。
髪飾りは天井の淡い灯りをうけてキラキラと輝いていた。
「ほら、、見て。小鬼の番号が掘ってあるわ。」
髪飾りの内側にガリオン金貨と同じような番号が入っていた。
「こんな高いものを誕生日プレゼントでくれるなんてヤバい人だわ、。」
エレンは恐れ多いというように髪飾りをアリシラの手に返した。
その夜、エレンが深い眠りについたあともアリシラはずっと髪飾りを眺めていた。
どうしてそんなに高価なものをドラコはくれたのだろうか。
きっとルシウスさんがくれた孔雀の羽ペンより高いかもしれない。
エレンは一点ものだろうと言っていたから尚更だ。
アリシラはベッドから起き上がると暗闇の中髪飾りをつけてみた。
ベッド脇の窓に頬を赤くした自分が写っている。
『似合ってる、すごく』
突然窓に写っている自分の顔がドラコの姿に変わった。
続く (更新停止中)
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きむい(プロフ) - noppiさん» コメントしてくださり本当にありがとうございます😭更新は不定期になると思いますが、これからもよろしくお願いします。 (2022年7月17日 18時) (
レス) id: e08f4d945f (このIDを非表示/違反報告)
noppi(プロフ) - 更新まってます！！ (2022年7月6日 16時) (レス) @page18 id: b90efc2fe0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きむい | 作成日時：2022年6月12日 9時
