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「大丈夫だって!初めの二、三日は厳しいかもしれないけど、あとは楽しいから!体力だって走り込みすればなんとかなる」

ボトルに入った水を飲みながら、いかにも運動部らしい的確な指示をしてくれた。

「そっかなぁ……」

それでも、なんとなく不安の色を見せると

「んー……あ、じゃあ一回やってみるっ?」

そう言って、彼は私にボールを渡してきた。

「え?」

「実践だよ!どうせ今からもう一試合するから、なんなら一緒にやろう?」

「へっ…あたしが?」

驚いて自分を指差して答えると、バジェーノは少し笑って私の腕を引っ張った。

「あたしが?って、アモールしかいねぇじゃん!」

「えっ、ちょっと…!」

そんな私の小さな抵抗も聞かずに、彼は私の腕を引っ張ってどんどん歩いていく。

「それに、今日はせっかく動きやすい"男子用の制服"なんだからさ!」

そう。男子用の制服とは、言葉の通り男子が着る制服である。しかし、私はグループ上の問題で男子寮に行くことになったので、女子用と男子用、両方の制服が貰えた…と、いうわけなのだ。始業式や終業式などの時以外は男子用の制服も着ていいため、今日は気分で男子用の制服を着用していた。

「まあね……じゃあ、一試合ぐらいなら」

あまり自信はなかったが、何気に楽しそうだったのでやってみることにした。

「みんなー、アモールが一回やってみるって」

「おお、じゃあ俺ベンチ下がるわ」

一人の知らない男の子が、私の顔をチラッと見てベンチの方に走っていった。

「じゃあ始めるよ!ルールは分かってる?」

「まぁ一応」

「なら大丈夫だ。」

そこで、リグオミの声に代わって笛の音が鳴り響いた。

試合が始まったようだ。

「えっと、とりあえず相手からボール奪ってゴールに入れればいいんだよねっ?」

「うん。一回やってみなよ」

「分かった!」

ーえーっと、今ボール持ってんのはロガルスか…まぁ多分とれないだろうなぁ

そう思いながらも、ドリブルしたまま近づいてくる彼のボールを狙って、手をつくと

「えっ」

意外にもあっさりボールがとれた。

ーへっ…?バスケってこんなもんなの……!?

「おおっやるじゃんアモール!」

「えっ、あの、この後どうすれば…っ?」

ボールを持ったままバジェーノに尋ねると、

「ゴールゴール!」

「あっそうだった、ごめん!」

あまりの衝撃に、次することも忘れていた。

しかしゴールの方を見ると、たくさんの敵がボールをとろうと身構えていた。

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菜波(プロフ) - 初めてオリジナル見ました!とっても面白いです(^^)d更新頑張ってください!! (2013年5月27日 20時) (レス) id: 581295fc3e (このIDを非表示/違反報告)
桜蝶姫(プロフ) - 面白いっす!!自分だったらきっとここまで書かないでしょうw (2013年5月24日 20時) (レス) id: 6b7ce34b11 (このIDを非表示/違反報告)
*りぃむ*@Natsumi(プロフ) - 凄いです、とても面白いです(´`*)ここまで良くかけると尊敬しますwこれからも頑張ってください、続き楽しみに待ってます* (2013年5月23日 23時) (携帯から) (レス) id: 5bbbbd63fc (このIDを非表示/違反報告)
メイプル・コルグエフ(プロフ) - オリジナルでここまで書けるなんて凄いです!がんばってください!! (2013年5月23日 18時) (レス) id: 6725dd056b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:cry | 作成日時:2013年4月8日 22時

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