ネバーランド

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「ぅあっ!?」

声にならない呻き声をあげた。

思いっきり固い地面に放り出された。

腰を擦りながら瞳を開ける。

私の闇に映ったのは





「………………………………は、」





世界





「ぇ…。………?」





私がいないはずの





「、…。……?」





綺麗な、世界。





に、私はいた。





「ちょ、あ。えぇ……え?」

道の両脇に立ち並ぶレンガや石を積んだ美しい家。

黄色い石畳の道を通る馬車やたくさんの人。

厳かなドレスを身に纏った女性や、タキシード姿の金髪の男性。

貧しそうな青い瞳の少女や、フランスパンを片手に威勢の良い声をあげる太った商売人。

360度、どの角度から見ても先ほどまでいた美術室には見えなかった。

例えるなら……中世紀のヨーロッパだろうか。

「ここは……」

訳もわからず、とりあえず立ち上がる。

行き交う群衆は、ここには不釣り合いな制服を着た少女を横目で軽蔑していた。

「なにがおこったの……?」

美術室にいたはずなのに、いきなり投げ出されたと思ったら

こんな所にいたんだ。

一体ここはどこなんだ?

もちろんこんな場所に見覚えがない私は、もう1度辺りを見回した。

やっぱり、違う。

当たり前だけど美術室じゃない。

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