ネバーランド

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「じゃあここは何?」

なんで自分がこんな場所にいるのか、ここはどこなのか。

たくさんの疑問は光の速度で頭を過った。

そして

理解した。

「…ここは、゛夢゛なんだ……」

夢だからこんな変なところにいるんだ。

頬をつねってみた

―痛い。

けれど、夢は覚めなかった。

まぁ私が普段夢を見るときでも、何をしても覚めないことは多々あるので驚きはしなかった。

ぱっと後ろを振り返ると

「あ…っ…」

永遠とも思われたこの黄色い石畳の道に終止符が打たれている所があった。

緑色の大きな扉。

「あそこだ!」

私は走り出した。

早くこの変な世界(ゆめ)を抜け出さないと

きっとあそこが出口なんだ。

そうに、決まってる。

こけそうになりながらも走り続けた。

だって、こんな世界

私がいるところじゃない

早くこの夢から覚めたい。

この素敵な世界から抜け出したい。

だって

もう、これ以上




―悲しい人にはなりたくないの。




私は、私は。

結構一生懸命に生きてきた

みんなが想像してるよりも、ずっと努力してここまできた

なのに、なんでこんなことにならないといけないの?

すごく素敵な夢だけれど

夢ってことは、「私が作り出した世界」なんでしょ?

今の現実に満足してないから、夢にも見ちゃうくらい

こんな素敵な世界に飢えてたんだろ?

夢に見るって……

ほんと、自分に呆れちゃう

そんなにあの世界が、嫌いかい?

そんなにあの世界が、不満かい?

はい、そんなにあの世界が、愛をくれなかったんです。

だから、こうして夢見てるんだ。

欲望の渦に飲まれて、こうでもしないと生きてけないほど


辛かったのかな


でも、所詮これは夢。

きっと覚めたら、ガラス細工みたいに儚く、粉々に壊れてしまうの。

そしてまた、その欠片を自分で踏み潰して辛い現実を生きていかなきゃいけないんだ。


足を、止めた。


扉は私が思っていたより、ずっとずっと大きかった。

それが私の飢えに比例しているかの様に見えて、憎らしげに扉を睨んだ。

―どうせ、覚めてしまうのなら。

現実に戻ったとき、

少しでも思い出さないように

少しでも悲しくならないように

粉々に壊してやる!

緑色の扉を全力で押した。

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