❤️ ページ32
「なにをしたんだよ」
「いや、アズール先輩にさ、魔法を使えるようになる魔法薬ってないのかなって聞いて……類似品を工面してもらって、ちょっと箒乗ったら楽しくなっちゃって、木に突っ込んで」
悩んだ末、そっか、とだけ返した。治療されている監督生は結局オレよりよっぽど強いわけで、オレが心配をする必要はない──筈だった。
『エース！エース！』
「は！？なに！？念話！？監督生！？」
『あっはははははははは！！！私、私今大空の中！あははははは！！！わあ、島が全部見える。綺麗』
寝るかどうか迷いながらスマホを弄っていた時だった。監督生の方から聞こえるびゅうびゅうと風を切る音は、コントロールを失った箒によるものだと一瞬で把握した。
「ッ……！監督生！動くなよ！」
空に向かってできる限りの探知魔法と暗視魔法をかける──あそこだ、と見つけた場所は空の彼方と表現してもよいほどの場所で、慌てて箒を掴んで窓から飛び出る。
錐揉みするように飛んでいる監督生はまだ箒から手を離してはおらず、そのまま突っ込み監督生の首を脇に抱えた。
「おい監督生！！！お前もう箒に魔力込めるのやめろ！！！こっちまでコントロール効かなくなるっつーの！」
監督生から箒を取り上げ、無理矢理自らの箒の後ろに座らせる。腰に手を回させて、やっとひと心地ついた。
「エース、汗がすごいよ」
「うるせーな！ビビったぁ〜！おまっ監督生……！なに考えてんだよ！」
「ん？」
箒の後ろに乗った監督生はオレの腰へ抱きつき──抱き締め、肩のあたりに額を押し付けてくる。
「なんで逃げるの」
少しだけ腰を前にずらしたことを糾される。
「逃げてねーし……でも、近くね」
「いつもこんなもんじゃん。それより綺麗だよ、下」
未だかつてここまで高く飛んだことなんてなかった──賢者の島全体が一望できるこの高度は、箒のコントロールを失えばひとたまりもないだろうとしか思えず、景色を気にする余裕なんてものはない。
「……ゆっくり高度下げっから、動くなよ」
「ふふふ」
監督生の手が胸に回り、首筋になにか感覚が──ちゅ、と音が聞こえて、一瞬頭が真っ白になりそうになった──のをなんとか堪えて、少しずつ高度を落とすことに集中する。
監督生の手が胸から肩に回り、首筋の裏に幾度もキスを落としてくる。
「マジでやめて、監督生」
「いいじゃん」
ぺろ、と首筋になにかの感触を──なにかなんて考える必要もなかった。
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功徳(プロフ) - コロッケさん» わーい🥰🙌ありがとうございます 頑張ります (11月11日 3時) (
レス) id: e0d582f997 (このIDを非表示/違反報告)
コロッケ - 最高です*\(^o^)/*続き、気長に、楽しみに待ってます！ (11月5日 13時) (レス) @page29 id: 0002858abd (このIDを非表示/違反報告)
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