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私は今日もまた、
廉がいる病室に足を運ぶ。
「…廉」
廉「あ、A」
「調子、どう？」
廉「んー、まぁまぁかな」
いつもより少し浮かない顔を
している廉の隣に腰を下ろす。
「ん？なに？」
廉「別に」
「…なんかあった？」
顔を傾けると廉は分かりやすく
私から視線を逸らす。
目元を覆うストレートな
少し茶色の髪がやけに色っぽく見えて
私もすぐに目線を外した。
廉「…もう、来やんといて」
「廉？」
廉「迷惑やって言ってんの」
あの時のような。
まるで廉に振られた時のような。
一瞬にして過去に遡り
あの頃感じた色々な感情が
一気に襲いかかってきた。
「…廉、言ってることめちゃくちゃだよ」
廉「……」
廉のことも、自分のことも、
何もかも見失い果ててしまう。
彼が今どんなことを感じているのか、
自分は一体何がしたいのか。
廉「結局、彼氏が一番大切なくせに」
廉「なぁ。どんだけ俺を苦しめるん？」
「…っ……そう、だよね。ごめん」
廉「分かったならもう帰って」
それからは、
一度も廉と目が合うことないまま
彼に背を向け外気に触れる。
ねぇ、私を捨てたのは廉じゃん。
私、ずっと忘れられなかったんだよ。
簡単にこの気持ちを捨て切るなんてこと
できるわけなかった。
忘れられなくて、
でも早く忘れたいと思えば思うほど
また好きになって。
廉じゃなきゃダメだった。
何もかも廉じゃなきゃ意味なかった。
でも、紫耀と出会って
新しい恋を見つけた。
忘れられない人いると伝えた私と
真正面から向き合って
一途に愛してくれた。
…なのに。
私、やっと廉のことを
忘れられると思ったのに。
また廉に会って、思い出してしまった。
何故こんなにも複雑に絡み合って
解けないのだろう。
何故こんなにも上手くいって
くれないのだろう。
もう、自分のことが分からなかった。
私は私でしかないはずなのに、
自分を見失ってしまっていた。
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みう(プロフ) - umekoさん» コメントありがとうございます^^最初は廉くんオチにする予定だったのでタイトルがそのままになっていました。消させて頂きます。最後までご愛読頂きありがとうございました。 (2020年9月12日 1時) (
レス) id: 3c79c161a1 (このIDを非表示/違反報告)
umeko(プロフ) - はじめまして！楽しく読ませていただきました。そして、私も廉くん落ちだと思っていました…タイトルのRen.Nはなくても良かったんじゃないでしょうか？あとがき2を読まなければモヤモヤしたまんまでしたので、ありがとうございました★ (2020年9月12日 1時) (レス) id: 8cd4616c45 (このIDを非表示/違反報告)
しおり(プロフ) - みうさん» ありがとうございます。後日また一話から読み返してみようと思います。Ren.Nと書かれていたので永瀬落ちかと思って読んでいたという先入観が邪魔をしてしまったのかなと思います。 (2020年9月11日 18時) (レス) id: 199b427b1e (このIDを非表示/違反報告)
みう(プロフ) - しおりさん» コメントありがとうございます^^ながくなってしまいますので後々あとがきに追記させて頂きますので少々お待ちください。最後までご愛読頂きありがとうございました。 (2020年9月11日 17時) (レス) id: 3c79c161a1 (このIDを非表示/違反報告)
しおり(プロフ) - lieというのはもしかして「嘘」と「横たわる」の二つの意味を持たせていますか？完結してもなお煮えきらない感じでむず痒いですが、結局のところはどうなのでしょうか？伏線回収や解説も載せて頂けると幸いです。 (2020年9月11日 16時) (レス) id: 199b427b1e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みう
| 作成日時：2020年8月5日 18時
