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廉「うん、会ったよ」
「…そっか」
スマホに目を向けて時間を確認する。
「私、もう帰らなきゃ」
いつものように店の前で別れて
そのまま急いで帰るはずだった。
しかし廉の細い腕に掴まれて
その場で足が竦む。
廉「またそうやって逃げるん？」
「…っ……」
廉「俺さ、すごい嬉しかったよ、またAとこうやって話せて。でもそれは俺だけやった？」
本当は私だってすごく嬉しかった。
一度しかない青春を一緒に過した廉。
そんな彼とまたこうやって
笑い合えるだなんて
まるで嘘のような出来事だと感じた。
そこにある感情が
昔のものとは違ったとしても、
間違いなく私の中では大切な時間だった。
廉「やっぱり、彼氏が一番大事？」
不安そうに揺れる廉の瞳に
吸い込まれると、
直ぐに答えられるはずなのに
言葉が喉につっかえる。
本当にあの頃から
何も変わっていなかった。
真っ直ぐで純粋な
少年のままの廉だった。
そんな廉の姿に乱され戸惑う。
「…ごめんね、廉」
廉「そのごめんは、どういう意味のごめん？」
廉の行動全て私の為だったこと、
それを知った時
とてつもなく後悔が押し寄せた。
結局は廉の気持ちを汲み取れなかった
私のせいだったのだと。
苦しくて、ただ悲しくて。
廉まで私を1人にするのだと
あの頃は酷く恨んだけれど
でも結局は恨みきれなかった。
だって、それでも私は
やっぱり彼が好きだったから。
「…っ……もう廉に会いたくない」
もう、誰のことも
好きにならないと思っていた。
いつか来る別れという苦しみに
耐えられる自信がなかったから。
「だって、もう今更だよ…遅いよ…」
でも、新しい居場所を見つけた。
拭いきれない悲しみを
紫耀が一緒に背負ってくれた。
涙ぐみながら
廉の手を振り払おうとした瞬間
辺りが甘い香りに包まれる。
本能的に嫌な予感がした、
終わったと思った。
肩を強く抱き引き寄せられた身体は
呆気なく廉とは逆の方向に傾く。
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みう(プロフ) - umekoさん» コメントありがとうございます^^最初は廉くんオチにする予定だったのでタイトルがそのままになっていました。消させて頂きます。最後までご愛読頂きありがとうございました。 (2020年9月12日 1時) (
レス) id: 3c79c161a1 (このIDを非表示/違反報告)
umeko(プロフ) - はじめまして！楽しく読ませていただきました。そして、私も廉くん落ちだと思っていました…タイトルのRen.Nはなくても良かったんじゃないでしょうか？あとがき2を読まなければモヤモヤしたまんまでしたので、ありがとうございました★ (2020年9月12日 1時) (レス) id: 8cd4616c45 (このIDを非表示/違反報告)
しおり(プロフ) - みうさん» ありがとうございます。後日また一話から読み返してみようと思います。Ren.Nと書かれていたので永瀬落ちかと思って読んでいたという先入観が邪魔をしてしまったのかなと思います。 (2020年9月11日 18時) (レス) id: 199b427b1e (このIDを非表示/違反報告)
みう(プロフ) - しおりさん» コメントありがとうございます^^ながくなってしまいますので後々あとがきに追記させて頂きますので少々お待ちください。最後までご愛読頂きありがとうございました。 (2020年9月11日 17時) (レス) id: 3c79c161a1 (このIDを非表示/違反報告)
しおり(プロフ) - lieというのはもしかして「嘘」と「横たわる」の二つの意味を持たせていますか？完結してもなお煮えきらない感じでむず痒いですが、結局のところはどうなのでしょうか？伏線回収や解説も載せて頂けると幸いです。 (2020年9月11日 16時) (レス) id: 199b427b1e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みう
| 作成日時：2020年8月5日 18時
