dwarf*11 ページ11
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「アイスちょーでけぇ!」
「うわほんとだ!これ食べきれないよ!」
なんて会話をしているせいで、周りの人も微かに聞こえたみたいで不思議そうな顔で辺りをキョロキョロしてる。
一応彼らは誰にでも見えるみたいで、
そこはファンタジーじゃないんだ…って、ちょっとがっかり。
もし私にだけ見えていたら、こんな可愛い人たちを独り占めよ。んふふ。
「A!俺これがいい」
「俺はこれ!」
ひとり心の中でにやけていたら二人とも決めたみたいで。
さっき視線を感じたのか、周りの人に聞こえないようにひそひそ喋ってるのがなんとも可愛い。
二人のついでにじぶんの分のアイスも取ってレジに行ったら、店員さんに「こいつめっちゃ食うじゃん」みたいな顔されたけど気にしないでおこ。
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『ただいまー』
アイスが溶けないように少し早足で家に帰ってきて、家の中に向けて声を掛ける。
誰も居ないのに言ってしまうのは一人暮らしを始めてからの私の癖で、
あぁまた言っちゃった、とか思ってたら
「んはは、おかえり!」
「おかえりー。」
手元から返事が返ってきた。
あ、なんだろ、幸せ。
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三人で手を洗って、私は部屋着に着替えて、
三人でソファーに座ってテレビを見ながらアイスを食す。
「やっぱうめー!」
「っあぁキーンとする!!」
『こら、慌てないの!』
体のサイズが変わると何もかもが新鮮なのか、
アイスにがっつく二人に
さっき浮かんだ明日の予定を言ってみる。
『ねぇ、明日どこか行かない?』
「行く!」
富永くんからは少し食い気味に返事が返ってきた。
『んふふ、富永くんは行くみたいだけど、
寛太くんはどうする?』
ずっと家で編集してる?ってちょっと意地悪に聞いてみれば
「…おれも行く」
ぷく、ってほっぺ膨らませて可愛い顔。
『ふふ、良かった。
寛太くんも一緒に来てくれたらいいな、って思ってたの』
「っ、こ、子ども扱いしてるだろ!」
『えぇ?してないよー』
小さくて可愛いとは思ってるけど。
なんて心の中で思ってたら
「…くそ、大きかったら意地でも男だって分からせるのに」
『へ、?』
何だか、狼さんのような独り言が聞こえましたけど。
小さいくせにドキドキさせないでくれるかな、ほんとに。
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りか - すごく面白いです!頑張ってください応援してます! (2018年10月11日 19時) (レス) id: 6dfc96fe22 (このIDを非表示/違反報告)
ぴょぴょ姫(プロフ) - なちぼんさん» お返事ありがとうございます!これからも楽しみにしてます!頑張ってください!ヽ(*´∀`)ノ (2017年12月26日 1時) (レス) id: 37832a3e1b (このIDを非表示/違反報告)
なちぼん(プロフ) - ぴょぴょ姫さん» 嬉しいです…!!こちらこそありがとうございますー!これからもよろしくお願いします(*´ч`*) (2017年12月23日 19時) (レス) id: 1bdc9855ce (このIDを非表示/違反報告)
ぴょぴょ姫(プロフ) - 泣きました…。Twitterのとこ泣きました…。最高ですありがとうございました本当に!! (2017年12月19日 17時) (レス) id: 37832a3e1b (このIDを非表示/違反報告)
秋桜(プロフ) - なちぼんさん» はい! (2017年8月9日 3時) (レス) id: ed8d2e5c0f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なちぼん | 作成日時:2017年7月27日 13時