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阿部side



最近、佐久間の活躍が目まぐるしい。

ダンスも評価されて、バラエティーの番組に出たり、雑誌、挙句の果てにはドラマ、ラジオ。
とにかく色々な所で活躍している。

「佐久間の活躍は嬉しいんだけどね…」

テレビをつければ、佐久間がいじられてる所だった。いいなぁ。
ブラック阿部ちゃん降臨させようかな、なんてね。


阿部ちゃん!って呼んでくれることも、少なくなった。というか、家に帰ってくるのが遅かったり、撮影で朝早く出たりするから、必然的に俺とあまり時間が被らない。

こんなに時間が被らないと佐久間の様子がテレビでしか分からない。楽しげに話しているけどさ、俺の事忘れてないよね?なんて聞こえないのに、テレビの佐久間をちょっと睨んでみる。


でも、やっぱり暇なもので。
猛烈に暇だ。

『そうだ!これからですね〜佐久間さん、ある人に電話をかけまーす!あ、生放送だよ!!』

ふーん。そう。
別に掛けてきても良いけどさ、素っ気ない感じになるよ、恐らく。


途端に響く軽快な着信音、もちろん、相手は佐久間。
素っ気なくしようと思ったけど、生放送だとか言ってなかった?
なら、皆に優しい阿部ちゃんのキャラで。


『阿部ちゃん!』

「うん、どうしたの?」

『佐久間さん、生放送中だよ〜にゃはは!』

「ふふ、楽しそうだね?」

『あの、佐久間さんの言う阿部ちゃん、ですかね?』

「はい、アナウンサーの方ですか?」

『そうです!てっきり女性だと思っていたので驚きました』

「ふふ、佐久間言ってなかったんですかねー?まあそれもそれで、面白いばらし方だと思いますよ」

『む、阿部ちゃんは俺のだ!!』

「いや、誰のものでもないと思うよ」

『あ、そろそろ時間がああ!!阿部ちゃん、また終わったら電話する!!』

「はーい……って切れてるし」


でも、阿部ちゃんは俺のって言う佐久間に少し安心した。
たまにはボイスメッセージ送ろうかな。

「阿部ちゃんは俺のって言ってくれて嬉しかったよ。でもさぁ……俺はずっとお前のもんなんだけど」

中々恥ずかしいセリフ。
いや、中々こんなことは言わない。

……はずっ!!


中々恥ずい…。

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作者名:まっくろねこ | 作成日時:2020年7月10日 23時

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