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阿部side
佐久間が言っていた雑誌を買って、それを家に帰って読んでいる最中の佐久間。
その隣の部屋で、佐久間のストリートダンス動画を編集中。
「阿部ちゃん、めちゃくちゃかっこいい!!」
開け放たれている扉から、嬉しそうな佐久間がやってきて、バンッと雑誌の見開きのページを見せてくる。
どうやら俺もページに掲載されているらしい。
キャッチフレーズは「若きダンサーを支える同居人」。確かに間違っていない。
ん?同居人??
「佐久間、同居人って何?俺と住んでる事話したの?」
「康二に聞かれたから、答えたでやんす!」
嗚呼、仲良くなるの早いな、なんて思ったりもして。俺は佐久間みたいにすぐに仲良くなれるようなタイプの人ではない。正反対だな、とどこか他人事のように思ったりもする。
やれやれと自分の性格に少し嫌気がさして、1人で盛大にため息を吐きながら、無心でキーボードを叩く。
「あ、阿部ちゃん。怒ってる?」
「ん?怒ってないけど」
嫌気がさして、呆れてるだけだから。怒ってはない、うん、怒ってない。
とりあえず、しゅんとしている佐久間を大丈夫だと宥めて、編集中だった動画を完成させてアップする。そのあとは午後にある雑誌の撮影に向けて準備と、夜に撮るダンスの準備をする。
今日の雑誌から本格的に俺もページに掲載されるらしいから、気合い入るな。
頑張ろう、と。
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作者名:まっくろねこ | 作成日時:2020年7月10日 23時