迷ったら前に。苦しかったら前に。辛かったら前に。 ページ9
良太「それでもダメじゃったら。」
グラウンドに向けていた顔を私に向ける。
良太「前に進むしかないじゃろ。」
迷いのない言葉が真っ直ぐ心に刺さる。それまで抱えていたモヤモヤが少し晴れた気がした。
「もう一つ。聞いてもいいですか?」
今なら、本当に聞きたかった事が聞けそうな気がして。
良太「ええよ。」
「良太さんは、人を好きになった事ってありますか?」
いきなりの私の質問に目を丸くする。
良太「な、なんじゃいきなり。」
「私、今まで、恋愛的な意味で人を好きになった事がないんです。だから、好きって気持ちがどういうものか分からなくて。」
今まで野球だけだったから、他の事に興味がなかった。特に恋に関しては。
中学、高校になると周りの女の子達は気になる人が出来て、友達同士で集まると必ずその話題になった。けど、私はいつも聞いてる側。野球があればそれでよかったから。ましてや告白なんてされたこともない。だから勇人に告白されたとき、頭が真っ白だった。
暫く唸りながら考えていた良太さんが顔を上げる。
良太「わしはこういう事はあんまり詳しくないけぇ、参考になるか分からんが。」
「なんですか?」
良太「いずれ気付くと思うんじゃ。自分で。」
「どういうことですか?」
良太「わしの場合じゃけどな。」
「はい。」
返事をすると良太さんはポツリ、ポツリと語り始める。
良太「最初はな、分からないんじゃ。じゃけど、だんだんその人の事を目で追うようになって。目が合うと嬉しくて、話しかけられただけでドキドキして。その人がほかの人と楽しそうに喋っとると、心臓がズキッとするんじゃ。それで気付いた。わし、その人の事が好きなんじゃって。」
「…よくわからないです。」
私がそう言うと。
良太「うーん。わしもじゃ!!」
2人で顔を見合わせる。そしたらなんだかおかしく思えてきて。
良太・A「あはははっ!!(笑)」
どちらからともなく笑いがこぼれる。
良太「ははっ!(笑)、なんでこんなにおかしんじゃろ(笑)」
「ですね。(笑)」
2人とも笑い疲れたころに、良太さんが言う。
良太「Aはやっぱり笑ってた方がええよ。」
「そうですか?」
良太「おう!!最近ため息ばっかりじゃったから。」
「そんなにですか。」
良太「ため息ついてるAより、笑ってるAの方がわしは好きじゃ!」
爛疋ンッ
「…っ痛!」
良太「どうしたっ!?」
「あ、いや何でもないです。」
どうした私。病気?
バカップル?いいえ、ただのお遊びです。→←こんなんじゃ。ダメっしょ。
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soft(プロフ) - ななみんさん» ほんとに不器用なのよこの子!←誰ー笑笑 さあ、誰なんだ!? (2016年1月11日 21時) (レス) id: 6e1dcb83a7 (このIDを非表示/違反報告)
soft(プロフ) - かいちゃんさん» さっさと踊って咲かせぇぇえ!! 誰でしょう!? (2016年1月11日 20時) (レス) id: 6e1dcb83a7 (このIDを非表示/違反報告)
ななみん - あらあら…ご愁傷さまチーーー(º ロ º )ーーーン…しゃかもと何かこの感じがいいんだよなぁ…(突然)助けに来てくれたの誰だろ?やっぱトリさん?それとも剛?意外に良太さん?能見さん…はないな(笑) (2016年1月11日 19時) (レス) id: 878c566972 (このIDを非表示/違反報告)
かいちゃん(プロフ) - softさん» なんやと、ごらぁぁ!!ってか助けに走ってきてくれたのは誰?!?!?!!!! (2016年1月11日 18時) (レス) id: fa35a049e8 (このIDを非表示/違反報告)
soft(プロフ) - かいちゃんさん» ワカランよこせゴラァー!! (2016年1月11日 17時) (レス) id: 6e1dcb83a7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:soft | 作成日時:2015年11月1日 13時