ＢＡＳＥＢＡＬＬＧＩＲＬ ２

はっはっはぁー！？ ページ48

9回裏、巨人の最後の攻撃。
ここを乗り切れば、私たちの勝ちだ。

バッターは、阿部さん。
一発が怖い選手。

完投ペースで投げてる晋太郎は、少し疲れてる。
1球目。

阿部さんが振ったバットは、確実に晋太郎のボールをとらえて。


抜ける。そんなあたり。


けど、ショートのひよこさんの大ファインプレー。
早い打球に飛び付いて、しっかりグローブに収めた。


ファン「ええぞ、鳥谷ー！！」
ファン「大好きやぁー！！」
ファン「笑えー！この男前！！」

「…ふふふっ(笑)」

試合中は集中してなきゃいけないって事は分かってる。
でも、こんなの無理(笑)

ファン「おぉ、金本ファン！！王子が笑っとるで！」

あ。
バレた。

今、マウンドではコーチが晋太郎と話してる。
ちょっとぐらいいいかな。

ファン「頑張ってな！！」
ファン「可愛いー！」
ファン「もっかい、笑って！！」

大和さんが、含み笑いしてる…。

スタンドの方を向いて、唇の前に人差し指を立てて少し笑いながら。

「しーっ！」

よし、これで静かになるでしょ。
そう思って、スタンドに背を向けると。


シンっ…。


さっきのがありえないぐらい静かになった。
ビックリして、大和さんに声を掛ける。

「しーっ。ってやったらダメでした？」

大和「いや、ダメじゃないけど。金本がやったらダメだと思うわ(笑)」

「どういうことです？」

大和さんが口を開いたと同時に、アナウンスが響く。



切り替え、切り替え。
あとで、聞こ。

・





・





・



「勝てて良かったですね。」

挨拶する列に並びながら、隣にいるひよこさんに言うと。

鳥谷「A。終わったと思ってる？」

「え？終わったじゃないですか。」

鳥谷「坂本。」

「…あっ。」

鳥谷「これから始まりだな。別の戦い。」

「…。」









…どうしよう。

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