ＢＡＳＥＢＡＬＬＧＩＲＬ ２

ガキの恋、大人の恋、もちろん俺は、親目線。 ページ28

能見side

翌日、投球練習を終わらした所にダッシュで駆けてくるトリがいた。

鳥谷「はぁ、はぁ、の、のうみさん！！」

能見「どないしたん？そんな急いで(笑)」

大体は分かってるけど、一応聞いてあげよ。
自分の口から言うのが１番嬉しいやろ。

鳥谷「Aと剛、付き合ってないって！！能見さんが言った通りでした。」

とびっきりの笑顔で言うトリは、
ほんまに恋してるんやなって、誰が見てもそう思える顔だった。

能見「良かったやん。でも焼肉は、なしやな(笑)」

鳥谷「いいっすよ！焼肉よりこっちの方が嬉しいです！」

能見「失礼な奴やね。」

鳥谷「すいません！(笑)あ、Aが呼んでるんで行きますね。」

Aに呼ばれたら一瞬で先輩の顔になる。
他のやつらみたいに、ガツガツいかんでじっと待つ。
１番大人っぽいけど、裏では１番ガキな奴かもしれんな。

トリとAが並んで歩いてるところを眺めていると。

「能見さーん！！」

後ろから、突進してきて肩に乗る。

能見「なんや晋太郎。」

藤浪「自分どうすればいいか分かんないっす…。」

口を尖らしながら横に座る。

能見「晋太郎のペースでええんちゃう？」

藤浪「それだと先輩方に取られちゃいますよ。」

能見「遅いも早いもあるか？焦って焦って失敗するよりも、ゆっくりゆっくり形にしていけば？なんも分からへんまま先に先にってしてたら絶対ダメになると思うで。」

藤浪「能見さん、惚れました。」

真顔でそんな事言うこいつも、
まだまだ始まったばっかりのガキ。

能見「キモイ…。はよAんとこ行って。」

藤浪「ひどいっす。まぁ、行きますけどね(笑)」

晋太郎も走ってって、やっと一息つけると思ったら。

「能見さん、隣失礼しまーす(笑)」

能見「剛。お前らほんまに…」

西岡「そんな顔せんでくださいよ！(笑)ご相談があるんですー」

能見「…なんや？」

いつもふざけてるけど、一番真剣。
ガツガツいくふりして、一番慎重。
駆け引き上手な剛。
こいつが１番大人やな。ムカつくけど。

西岡「俺、絶対Aを捕まえますよ？」

能見「はーい。応援してるで、頑張ってなぁ(棒」

西岡「ほんっまに冷たいですね！」

能見「はよAんとこ行ってくれ…」

誰に転がるかは分からへんけど、
俺は１人だけ有利にさせることはせーへん。
ええ年した野郎が恋して一喜一憂するて、なんやねんって思ってた。
でも、なんだかんだ気になる。
もう完全に

鶴岡「親だな。」

能見「鶴さん！？」

〜番外編〜　クリスマスには。→←超能力者です(^▽^)

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