検索窓
今日:1 hit、昨日:11 hit、合計:58,780 hit

背中合わせ ページ23

夜、少し散歩したくなって部屋を出ると、通路の向こう側にあるガラス越しのベランダに人影が見えた。

外側を向いているベンチとここ側を向いてるベンチ。
人影は外側を向いてるベンチに座っているから、
顔は見えないけど、時折右肘をさする後姿がすごく悲しくて。

思わず声をかける。

「剛…。」

いきなり声をかけられた剛の肩がピクッっと跳ねる。

西岡「A?」

振り返らずに聞く。

「はい。眠れないんですか?」

西岡「まぁ、ちょっとな(笑)」

笑って言ってるけど、様子がいつもと違う。

「何かあったんですか。」

言いながら、剛と背中を合わせるようにベンチに座る。

西岡「なーんも!もしかして心配してくれてんの?(笑)」

そんなに無理して明るくする必要ないじゃないですか。
さっきから、くっついてる肩の部分が少し震えてるのに。

「泣きたいくせに。我慢すんなや。」

西岡「は?」

いきなりの言葉に少し間抜けた声を出す剛。

「覚えてませんか?泣くのを我慢してた私に剛が言ったんですよ。」

西岡「覚えとるに決まってるやん。」

「それにもう1つ。強がる必要ない。」

あの日、辛くてくじけてしまいそうだった私を支えてくれたのは剛だから。
今度はそのお返しをしたい。

西岡「ほんまになんもないで!?(笑)」

「嘘ですね。剛、たまには本音を話すことも必要ですよ。」

しばらく沈黙が続いて。
剛が震えた声で話し始める。

西岡「俺な、不安でどうしようもないねん。」

苦しそうに、吐き出すように。

西岡「次怪我したら、終わってしまうんかなって。」

息を小さく吸う音が、
背中越しに聞こえる。

星空に願いを込めて→←プロ野球〜『ai』!!



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (45 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
82人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

soft(プロフ) - ななみんさん» ほんとに不器用なのよこの子!←誰ー笑笑 さあ、誰なんだ!? (2016年1月11日 21時) (レス) id: 6e1dcb83a7 (このIDを非表示/違反報告)
soft(プロフ) - かいちゃんさん» さっさと踊って咲かせぇぇえ!! 誰でしょう!? (2016年1月11日 20時) (レス) id: 6e1dcb83a7 (このIDを非表示/違反報告)
ななみん - あらあら…ご愁傷さまチーーー(º ロ º )ーーーン…しゃかもと何かこの感じがいいんだよなぁ…(突然)助けに来てくれたの誰だろ?やっぱトリさん?それとも剛?意外に良太さん?能見さん…はないな(笑) (2016年1月11日 19時) (レス) id: 878c566972 (このIDを非表示/違反報告)
かいちゃん(プロフ) - softさん» なんやと、ごらぁぁ!!ってか助けに走ってきてくれたのは誰?!?!?!!!! (2016年1月11日 18時) (レス) id: fa35a049e8 (このIDを非表示/違反報告)
soft(プロフ) - かいちゃんさん» ワカランよこせゴラァー!! (2016年1月11日 17時) (レス) id: 6e1dcb83a7 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:soft | 作成日時:2015年11月1日 13時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。