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「んはぁー!めっひゃおいひぃー」
この口の中でとろけるお肉ぅ〜!
もう、し・あ・わ・せ…。
「あんた、ホント美味しそうに食べるよねー。見てるだけでお腹いっぱい。」
テーブルを挟んで頬杖をつきながら私を見ている梨華。おぉ、べっぴんさんだ。
「ひゃべにゃいの?」
「うん、飲み込んでから喋ろうか。」
いや!飲み込みたくない!!
このお肉さんと別れたくないぃー。
あ、あのシューマイ美味しそう。
サヨナラ、お肉さん。
またいつか会いましょ。
「んっ。ゴクッ。」
「で、何って言ったの?」
「あぁ、もう食べないのって聞いた〜」
「私はもういいわ。胃にくる。」
「そんなオバサンみたいな事を!」
「あのねぇ、私達もう26よ?おばさんなの!」
…26歳はオバサンなの!?
うそぉん。いや、まだ大丈夫よ。
脂がのってきていい色気が出てくるものだわ!
そのとき聞こえてきた、言い争う声。
「ねぇ梨華。喧嘩してる?」
「え…、あ、ホントだ。」
男の人がお店の人に何か言っている。周りには人だかりが出来ていて、騒ぎになっていた。
「俺はこのグループの息子だぞ。」
「えっ。」
「人事部に言って、ここで働いてる奴ら全員クビにしてやるからなっ!!」
「そ、それだけは!それだけは勘弁して頂けませんか!?お願いしますっ。」
「じゃあ、なんでこんなものを出すんだ!!」
そう言いながら、お皿に乗っていた料理を床に叩きつける。無残に広がった皿の破片と料理。
…何それ。何様のつもりよ。
「ちょっとあんた!!」
「ば、ばか!何してるのA!!」
店中の視線が私に集まる。
もちろんあの男も、私の方を向いた。
「誰だあんた。」
「私はどうでもいいの!!あんたよあんた!」
「俺が何か?」
悪びれる様子もなく、なんなら薄ら笑いまで浮かべている。
「何か?じゃないわよ!!その料理のどこがまずかったのよ!」
「はっ、言ってあげようか?まず、味がない。美味しくない。俺のシェフの方が上手いね。」
「だからって、投げ捨てていいの!?頭おかしいんじゃない!!一生懸命作って皆を笑顔にさせようって、そう思って作ってるのに!」
「これが??舌がどうかしてるんじゃないのか。」
ブチッ
パチンっ!!
静まり返る店内。睨みつけてくる男。
「あなた、最低ね。人の気持ちが分からないなんて。」
「いこ、梨華。」
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ますとら(プロフ) - かいちゃんさん» 野球とご飯と睡眠があれば生きてける!高校野球感動したなぁ… (2016年3月31日 20時) (レス) id: ae5a1b29fa (このIDを非表示/違反報告)
かいちゃん(プロフ) - softさん» へーい (2016年3月30日 23時) (レス) id: fa35a049e8 (このIDを非表示/違反報告)
soft(プロフ) - かいちゃんさん» 気休め位ののりで読んでくだせぇ笑笑 (2016年3月30日 23時) (レス) id: 9d98819c04 (このIDを非表示/違反報告)
soft(プロフ) - criticalさん» いきなりやってみました笑笑 あざます! (2016年3月30日 23時) (レス) id: 9d98819c04 (このIDを非表示/違反報告)
かいちゃん(プロフ) - ますとらさん» そうそう!食べて野球みて寝るのが幸せなのさ〜笑笑 (2016年3月30日 23時) (レス) id: fa35a049e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:soft | 作成日時:2016年3月30日 22時